代永正樹さんの不思議な万華鏡「透匣(スカシバコ)」をご紹介します。ご覧の通り、細かい透明な色ガラスのパネルをつないだ外観で、外から見た筒の内側は透明な仕切りのある空洞のように見えています。
でもこの筒の中には2種類のミラーシステムが入っています。
背中合わせに組み込まれた2種類の2ミラーシステムなので、覗き口はひとつで、半分ずつ覗きます。
代永さんの四角い筒の作品は市松模様のようなスクエアなイメージで、映像もスクエアな4ポイントです。
オブジェクトセルの周囲に色ガラスを使うことで、横から入り込む光が色づいてオブジェクトに光の色を添えます。
また偏光素材も使っているので、太陽光の下で見ると鮮やかな虹色が見えます。
代永さんの説明によると、「万華鏡の先に鏡、または白い紙を置いて万華鏡を覗くと、セルの横からの直射光と下からの反射光の両方が面白く当たり、新鮮です」とのこと。 さっそく試したら、本当に色の変化が豊かで、まだ独特な雰囲気なので、飽きることなく見続けてしまいました。 代永さん自身も今回は少し華やかなイメージになったとおっしゃっていました。
もう一つのミラーシステムは2ミラーシステムで2ポイントの映像です。こちらもスクエアな映像です。
この2種類の映像を意識的に覗く方向をずらして、それぞれ楽しむわけですが、ずらす際に両方が一度に見えるということもあるわけで、それはそれで面白いものです。
写真でもこんな風になりました。
偶然ですが、次の写真は花の周りに飛ぶ蝶みたいに映りました。
透明感のあるステンドガラスの筒の中に展開する思いがけない色模様に、万華鏡の面白さを改めて感じます。