昨日に続き、松宮真理子さんの万華鏡展から、いくつかご紹介したいと思います。
どんなガラスを選び、どんなふうに使うのか、ステンドガラスの作品の場合、そこに個性が出てくると思いますが、松宮さんのこだわりは、時に自らガラスを焼いたりフュージングしたりして、独自の表情を出しながら、万華鏡のデザインにしているところです。
「Forestシリーズ」新作にもそんなガラスが使われています。 直線とカーブで構成されたステンドガラスの作品です。嵌め込まれたガラスの表情を映像の周りに映し出すようになっていて、それぞれが違った雰囲気になっています。
そのうちのひとつ、輝く美しい緑が映像を囲んでいる作品です。繊細な模様がきれいですね。
「神楽シリーズ」は以前から作っているものですが、新しい形です。 カーブをつけたパネルは、サンドブラストで模様を浮かび上がらせ、ハンダ付けを最小限にとどめた造りになっています。 模様が刻みこまれた美しいガラスの外観に目を惹かれます。
横に大きく広がりのあるミラーシステムからは、視野いっぱいに大きな映像が見えています。
3点それぞれに少しずつ異なった色合いのエキゾチックな模様で、神楽の世界を表現します。
次の作品は「Mille feuille シリーズ」です。 オブジェクトセルが層になっているところから、付いた名前です。 赤い方は2ミラーシステムで、花咲くような映像です。 緑は4ミラーシステムで爽やかな印象です。
こちらは「Rondo」シリーズ。 六角柱の筒に組み込まれたミラーシステムは二等辺三角形で6ポイントがきれいに出た映像と、周囲には重なり合う映像が複雑に組み合わされています。
くっきりと描かれた万華鏡模様が個性的だなと思いました。
昨日ご紹介した作品も今日の作品もテーマごとに外観だけでなく、映像の表現にも多彩さ、多様性があって、それぞれに作家さんの込めた意味があることを覗きながら感じました。