毎年この時期に待ち遠しい赤津純子さんの作品展があります。 12月9日から15日まで開催中の松屋銀座店7階、遊びのギャラリーに伺いました。
今年、初お目見えした作品は「玉箒(たまははき)」です。 酒器の片口を模した形で手のひらに載るほどの大きさです。 玉箒とは 憂いを払う箒にたとえて、お酒を意味する言葉。 みずみずしさを美しいブルー系ののガラスで表現しました。注ぎ口にあたるところが覗き口です。
斜めに組み込んだミラーシステムの先に展開するのは、赤津さんらしい、軽やかで繊細、やさしいけれどきりりとした雰囲気の映像です。
立方体を重ねた一番小さな作品は 「凸 (とつ)」です。 これも3ミラーが組み込まれています。
細いラインを描くオブジェクト、 転がるように動く小さな粒状のオブジェクト、色も厚さも薄くて、重なると色のグラデーションが生まれるオブジェクトなど、これほど小さな中に込められた、作家さんの想いが伝わってきますね。
赤津さんのもうひとつの定番作品はフェルトの万華鏡です。 ほっこりとした、可愛らしい万華鏡ですね。 グラデーションがきれいに出た作品です。
手に取るととても軽い。 でも丈夫にできています。
そんな中からいくつかの映像をご紹介しますね。 背景が白なので明るい雰囲気。
マスキングという技法で、2ミラーの映像が繰り返されるような3ミラーの模様です。
2ミラーの映像も個性的です。一瞬一瞬を全部記録しておきたくなります。
空間があるからこそのきれいさ、清々しさが赤津さんの映像の特徴なのかなと思います。
こちらはテレイドスコープ 「とと」 です。 フェルトの色がミックスされているところが新しいです。
他にも作り続けてきた作品が展示され、在庫がなくなったものでも、注文を受けてくださるそうです。
赤津さんの丁寧な手作りの作品は、ほかにはなかなか見る機会も購入のチャンスも少ないので、興味のある方はぜひ、この機会に覗きにいらしてください。
壁面には作品の内部映像をご自身で撮った写真が飾られていましたが、それらもすごくきれいでした。 映像表現をとても大切にしている赤津さんの姿勢を感じさせる展示でした。
会期 2015年12月9日から15日
営業時間 午前10時から午後8時まで。 12日から15日までは午後8時半まで。
ただし、最終日17時閉場。
松屋銀座7階 遊びのギャラリー