中里保子さんが今年のコンベンションで発表した新作 "This is it" です。
アイアンの半円型のスタンドにキューブ型の本体を載せた斬新なデザインは、今までの作品にはなかったシャープな感覚で、中里さんの新しい一面を見せるクールな作品だと思います。
この赤地に黒い模様が入ったユニークなガラスは、いつか作品を作るためにと大切にしてきた貴重なガラスだそうです。そしてピタッと決まったデザインにつけたタイトルが"This is it" (まさしくこれだ!)
オブジェクトセルに光を当てて、上からのぞきます。覗き口は上の角のあたりにありますが、その先に広がる世界はガラスの森に迷い込んだよう。 写真では大きさと深さを表現できず、残念です。
こちらは「富士山」シリーズです。いろいろな季節の富士山を表現した4点はそれぞれ趣のあるガラスを使っています。
4ポイントの映像は、すっきりと美しく、それぞれの季節を表現しています。
「型紙」シリーズや「秋草」、「ゆうな」といった和のデザインの作品も展示して、日本的な美もアピールしていました。
柔らかな感性とシャープな感性、斬新さと伝統への回帰、ガラスと金属の組み合わせ、シンメトリーとアシンメトリー、生まれてくる作品にいつも何か新しさを加え、私たちを感動させてくれる作家さんです。