久しぶりの投稿を思い立ったのは、万華鏡の世界を新たに広げる作品に出会ったからです。
リチャーズ華子さんの作品を拝見したのは、丸善日本橋店で開催中の「アート万華鏡の世界展」(7月26日まで開催中)。
ランプワークによるガラスビーズのアクセサリー作家として実績のある作家さんですが、万華鏡を創り始めたのは昨年のことだったそうです。
万華鏡のオブジェクトとしてとんぼ玉を使ってみたい、新たなとんぼ玉の魅力を発信したいと思われたのだと思います。
万華鏡の面白さは、いろんな色や形をオブジェクトセルに閉じ込めて、それらが鏡の魔法で華になるところ。とんぼ玉の中にいろいろな世界を演出してオブジェクトにするのは、素敵な試みだなと思いました。
球体のガラスマーブルをオブジェクトにする万華鏡は今までもあり、このブログでもご紹介してきましたが、この作品では円筒状になったガラスビーズをそのままオブジェクトにしています。 中のガラス模様は動きませんが、深い色合いと異なる形状のパーツの組み合わせが独特で、映像表現としても魅力的だと思いました。
この作品は千夜一夜物語~Arabian Nights Entertainments~から「魔法の林檎」をテーマにした作品です。
エキゾチックな細密画のような映像は、とんぼ玉そのものの景色とはまた異なって、想像を膨らませます。
アラビアンナイトの世界へ誘われるような映像の展開で、想像以上に面白みがあり、覗いていてとても楽しいです。2ミラーシステムで、ミラーシステムの第三面に反射素材を使うことで、周囲にも映り込んでいます。
もう一点ご紹介するのは、「月の世界」より Fin(フィン)という小ぶりな作品です。
身近に飾って楽しめる万華鏡として、くるくる回すことができる丸いとんぼ玉をオブジェクトに使っています。何気なく飾っているように見えるフィンですが、小さくてもしっかりと作家さんの世界観を表現しています。 いくつか並んでいるのを拝見しましたが、それぞれに個性があって、いろいろな人間がいるよって主張しているみたいでした。こういう時、一つを選ぶのは大変です。
ひとつの球体のとんぼ玉から実に様々な模様が生まれます。
球面がオブジェクトになるので、3ミラーシステムから生まれる映像もユニークです。
映し出す場所によって大きな変化があり、面白いですね。
最近は、コロナ禍でなかなか万華鏡展に足を運ぶこともできませんでしたが、今回新しい作家さん、新しい万華鏡との出会いがあり、嬉しく思いました。
そして山見浩司さん、かたおかきくよさん、小嶌淳・喜多里加さん、松本よしこ&たけおさん、佐藤元洋さん、若林寛さん、金子宏明さん、並木亮太さん、今関舞香さん、仙台万華鏡美術館から海外作家さんの作品も並び、大変見ごたえのある万華鏡展だったことを併せてお伝えしたいと思います。
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