万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

Fujiyama  

2014-06-13 17:04:28 | 万華鏡ブログ

今日は山見浩司さんの素晴らしいステンドガラスの万華鏡をご紹介します。 ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで、新作発表なさった作品「Fujiyama」です。

ご覧の通り富士山の形をした大きな作品で、表側はブルーや白を配した姿、裏から見ると赤く染まった姿になっています。

何種類のガラスを使われているのでしょうか? それぞれ表情のある一枚一枚が組み合わされて、全体としても本当に美しい作品ですね。 絵画のような印象を受けます。

てっぺんから覗くと、山見さんらしい、心地よい、そして完璧な映像が見えています。

広い底の部分に2枚のホイールが組み込まれ、それぞれを回転させながら映像の変化を楽しみます。 山見さんのホイールのそのものが美しさで定評がありますので、中の様子も見せていただきたかったなあと、今になって思います。

こちらはコンベンションならではの、チャールズ・カラディモスさんとのコラボレーション作品でです。 一昨年の「KARAYAMA」に続き、第2弾は、「YAMAKARA」です。 山見さんデザインの作品にカラディモスさんのガラスを使い、オブジェクトは二人で製作なさったそうです。

外のガラスによって、中の雰囲気もそれぞれ違っています。

仲の良いお二人だからこそ、お互いのアートを尊重し合いながら生まれる貴重な作品なのだと思います。

このコンベンションには13人の日本人の作家の方が作品を発表なさいました。それらの出品作の作品展が6月25日から7月13日まで(月・火休館)、流山市の「万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵」で開催されます。 ぜひ日本の皆さんにも見ていただきたいと思います。

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3年連続で受賞のスティーブン・グレイさん 3 consecutive award winner

2014-06-10 14:21:59 | 万華鏡ブログ

色の迷路、あるいはトンネルでしょうか? どこまでも入り込めるような映像は、BKSコンベンション、新作万華鏡部門で3年連続 People's Choice Awardを受賞されたスティーブン・グレイさんの作品「Phantom(ファントム)」です。 どんなミラーシステムを使っているのでしょうか? 1990年代、斬新なミラーシステムと木工で、創造的な作品を創っていた作家さんで、2012年に20年ぶりに復帰されたのですが、相変わらず、ユニークな作品を生み出しています。

この作品のユニークなのはミラーシステムだけではありません。 木工のコンセプトもユニークです。 パーラータイプの作品は、スタンド部分と三角形の筒、オブジェクトケースから成り立っていますが、本体にもスタンドにも木の羽のような飾りがついています。 この飾りはマグネットの着脱式で、外すことができ、また好きな向きに取り付けることができます。

元をたどれば大きな円盤に溝を彫り、ランダムに切り分け、きれいに加工したものがそのパーツです。 外観も好みで変えられるというのが、珍しいですね。

2013年はトレイが回転する「Whirling Fantasies」(写真左)で受賞、 カムバックしたばかりの2012年は、「Reflections of a parasol」で受賞しましたので、今回連続で3度目の受賞となりました。 

大型の作品のほかにも今回、手持ち型の万華鏡が4種類ほど並んでいましたが、どれもちょっと変わった工夫があり、発想の豊かさと高品質な造りが組み合わさった作品でした。 

どれも木のデザインが素敵で、コレクションに加えたくなる魅力がありますね。 上の写真の 「Peeps」 という作品。 中の映像もちょっと変わっています。

球状の万華鏡映像の周りを囲む、もやもやっとした色の流れが特徴です。 オブジェクトの色を映し出すので、もやもやの色も変化します。 通常のサークルミラーとはちょっと違った感じなのですが、どんな秘密があるのでしょう?

そして最後にスティーブン・グレイさんに登場してもらいましょう。 とても陽気で、楽しくて、やさしい方です。

記事の追加です。 

ご本人から提供された写真です。 よりはっきりとその姿をご覧いただけると思います。先端のミラーは明かりをセルに当てる意味があります。 内部にもLED照明が用意されているので、明るさの足りないところでもちゃんと楽しめるし、違った印象を与えます。

この作品は25個の限定版。 以前ご自身の万華鏡で使ったコンセプトの5ミラーシステムで、映像は「暗闇に続く蜂の巣模様の幻覚」という表現をなさっています。

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ダイクロの女王 ジュディス・ポールさんも受賞

2014-06-09 17:01:50 | 万華鏡ブログ

ブリュースター・カレイドスコープソサエティー(BKS)のコンベンションでPeople's Choice Award に輝いた二組目は、ジュディス・ポールさんとトム・ダーデンさんご夫妻でした。 今年の作品は黒革(風)の本に組み込まれた万華鏡のセットです。 2冊の本には異なるミラーシステムの万華鏡がそれぞれ組み込まれ、3冊目の本は蓋が開き、中に替えのセルを入れるようになっています。

その作品が置かれているこの椅子にも注目です。 全体にダイクロイックガラスが敷き詰められたゴージャスな椅子にはちょっと恐れ多くて座れないと思っていましたが、ジュディスさんがどうぞお座りくださいと勧めるので、みなさんの写真撮影スポットになっていました。

背表紙にもダイクロイックガラスがあしらわれ、とてもお洒落な本のスタイルです。クリスタルのカットガラスを載せたテレイドスコープも付いています。
新作発表の時、トムさんはプロフェッサーと言って紹介され、作品は大学の教科書として紹介されました。(タイトルは確認し忘れました)

映像の撮影をしようとしたら、ここに全部出ていますといって見せてくださったのが、この本です。

本のふたを開けて取りだしたセルを示した後、それぞれのセルの映像を指し示してくれました。

何でも本にできる現代の技術に感心しつつ、自分の体験した美しい一期一会の体験をなるべくたくさん残しておきたいと目いっぱいの画像を載せて見せてくださるジュディスさんの万華鏡に対する愛情も感じて、それをシェアしたくなり、本を送ってくださるようお願いしてしまいました。

本の万華鏡の上に置かれているのが、受賞のトロフィーのガラスオブジェです。 きれいなグリーンの良く似合うジュディスさんですね。 彼女が企画したバンケットでは、ゴールドの衣装で登場。それも素敵でした。

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People's Choice Award 受賞作品 

2014-06-08 11:10:25 | 万華鏡ブログ

BKSのコンベンションでなくてはならないもののひとつに、新作発表とその評価があります。 会員全員が集まる最初の開会式の後、すぐに行われるのが、新作発表です。 この場で初めて公開する作品なので、布をかぶせて登場し、おごそかに(?)布を取るのです。 英語では「アンヴェーリング」と言いますが、文字通りヴェールを取るという意味です。
参加メンバーには投票券が配られ、会期中それらの作品をじっくりと見て、土曜日の4時までに、その年の新作発表作品から、自分の評価するものを3点、オークション作品から1点選んで、投票します。 厳正な集計の結果、今年も3点+1点が選ばれ、最終日の閉会式で発表されました。 個人的には、今年のPeople's Choice Awardを選ぶのは、結構難しかったです。 最終的な集計数は分かりませんが、結構な接戦だったようです。 魅力的な作品が多かったということでしょうね。

今年の新作万華鏡の受賞作品をご紹介していきたいと思います。 
上の写真はペギー&スティーブ・キテルソンさんの作品でフラワースコープの集大成のような感じです。
いくつかの花がフュージングの技法で焼き付けられた大きなパネルで筒をはさんだパーラータイプです。本体は振り子ののように動き、垂直に立てた状態で飾れますが、支えで固定され、写真のように覗きやすい状態に保つこともできます。

鮮やかな色合いで飾られた花々は細部まできれいな手作りです。 オブジェクトセルはペギーさんの手作りのオブジェクトがたっぷり入っていて、ダイクロイックガラスのきらめきが美しいです。 2つのセルがついていて、交換できるようになっています。 ひとつは花などをイメージしたオブジェクトピースが入っており、もう一つはダイクロイックガラスなどのピースが組み合わされています。

あらためて言うまでもないことですが、写真よりもはるかに実物の方がきれいですし、オイルの中での動きが最も美しいアート表現ですので、そのことを想像力を膨らませて感じてくださいね。

この作品は5点ぐらいの限定版と聞いていますが、1点ずつ花の種類も異なるそうです。 今回はこの2点が展示されていました。 覗くたびに美しさにため息が出るほどです。 

ペギーさんのオイルセルは他の誰とも違う表現で、長い製作活動の間に、表現の幅も変わってきていると思います。 それを拝見するのが毎回の楽しみであり、いつも新たな感動をもらいます。 

本体はスティーブさんの木工やフュージングの技で生み出された素晴らしい作品ですが、窯に入れた時、途中で割れたりしないよう、お二人でお祈りしながら結果を待つそうです。 毎回が挑戦なのですね。

このブログのテーマでもある、「ガラス色の幸せ」 を与えてくださる素敵な作家さんご夫婦です。
日本でコンベンションが実現したら、ぜひ日本に行きたいとおっしゃってくれました。 実現するよう願っています。

 

 

 

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テーマから生まれ出る個性的な万華鏡の数々-BKSコンベンション オークション作品

2014-06-07 19:56:06 | 万華鏡ブログ

昨日に引き続き、サイレントオークションの出品作品です。 北村幸信さんの「Golden Pentagon」は、今年みごとにオークションカレイドスコープの部門でPeople's Choice Award を受賞なさいました。 去年の新作部門での受賞に続く快挙です。 おめでとうございます。

CDやDVDを多用して、現代的で美しい煌めきのある作品となっています。

次は今回、初めてのコンベンション参加となった小林綾花さんのオークション用作品「Gold Crystal」です。樹脂の中に金箔を閉じ込めて、金塊のような雰囲気の万華鏡です。 綾花さんの樹脂の使い方はとてもユニークで、魅力的ですね。

中も輝いて美しい!

マーク・ティクルさんのオークション用作品は、金色のボトルを使ったもので、通常の彼の作品とは全く違っているのが、面白いですね。 

でもオブジェクトセルは、液体入りアンプルなど、ティクルさん特有のオブジェクトが組み合わされています。

ローラ・ワイルディさんのオークション用万華鏡は、「サンフランシスコ 49ers」をテーマにしています。チームカラーとロゴをデザインに取り入れて、この地ならではの1点物の作品となっています。

チャールズ・カラディモスさんも毎回オークション万華鏡を出品し、いつも人気があります。今年は「Golden Nugget」という万華鏡でした。 中も金色でしたよ。

オークションカレイドスコープの中から何点かご紹介しました。 作家さんが工夫を凝らした作品の数々・・・いかがでしたか?

 

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Brewster Kaleidoscope Society Convention in Sacramento

2014-06-06 09:50:56 | 万華鏡ブログ

昨日明るい日差しのカリフォルニアから梅雨入りしたばかりの日本に戻ってきました。 ブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティー(BKS)のコンベンションが5月29日から6月1日まで、カリフォルニア州の州都であるサクラメントで開かれ、20名ほどの日本人会員の方たちと参加してきました。 

毎年1度開催されるコンベンションは、BKSの大切なイベントで、アーティスト、コレクター、リテーラーなど様々な立場から万華鏡を愛する人たちが集まり、新作を発表したり、意見交換したり、アーティストから直接作品を買うなど、いろいろなプログラムを思うように楽しむことができます。

参加者全員がいただける記念スコープは、今年はボブ・エイドさんが製作なさいました。

今年の開催地、サクラメントはゴールドラッシュの頃栄えた町で、オールド・サクラメントと呼ばれる地域は、当時をしのばせる建物や船、列車などを見ることができました。サクラメントリバーにかかる橋は金色で、日差しを受けるとキラキラしていました。夜もライトアップされます。

ここは最初の大陸横断鉄道の起工地だそうです。

昔のたたずまいの町はお土産物屋さんやレストランなどになっていますが、歩道が木造で歩きやすかったです。

BKSのコンベンションはアメリカの各地で行われるので、そのたびにいろいろなアメリカを見ることができるのが、私たちにとっても楽しいです。 私は行動範囲がいつも、たぶん一番狭いので、あまり写真もないのですが、他の参加者の方は忙しいスケジュールの合間を利用して、もっとたくさんのスポットを回ったり、ショッピングを楽しんだりしていたようです。

では万華鏡の話題に戻りましょう。 このサクラメントをテーマにした作品が並ぶのがサイレント・オークションです。アーティストがこのコンベンションのために創ったオリジナル作品をオークションにかけます。会期中は誰もが手にとって覗くことができ、最終日に締め切って、最後に手に入れたラッキーな方が、コレクションに加えることができるという、楽しみでエキサイティングな催しです。
今年の出品作から少しご紹介します。 キャロリン・ベネットさんの「Gold Rush」・・・ブーツが万華鏡です。 金鉱掘りのイメージですね。

山見浩司さんの「Venus III」は、特注の金色のガラスの筒にBKSの文字が飾られた、見るからにゴールド(!)な作品。

キャシー・ペインタ―さんのマーブルスコープは「Wild Wild West」。 私は知らなかったのですが、昔の映画のタイトルだそうです。筒に飾られたピストル、カウボーイハットなどいかにも西部劇ですね。

ジュディス・ポールさん・トム・ダーデンさんご夫妻の作品。タイトルは記録し忘れましたが、見るからに西部の雰囲気です。 革のベルトを巻いた形のセル入れ、古めかしいかばんのようなケースなど、彼ららしい演出のある記念万華鏡です。

中の万華鏡を取り出して覗くとゴージャスな金色の世界。

手前の替えセルも見るだけで楽しいですね。

 こんな具合に作家さんも遊び心を持ちながら、魅力あふれた万華鏡を創ってくださるので、たとえオークションでゲットできなくても、拝見するのが毎年の楽しみのひとつです。
BKSのことを日本の万華鏡ファンの方にもっと知ってもらいたいので、これから何回かに分けて、コンベンションの内容や万華鏡作品など、ご紹介していこうと思います。 

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