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軍艦島上陸ツアー

2016年03月05日 | 時事
軍艦島上陸数が最多更新へ
観光船でしか行けないツアーに30万弱って凄いですね。

自分は世界遺産登録前に訪れているので、定員にも空きがある状態で乗り込むことができましたけど、流石に今行こうとすると予約を取ることすら大変そうですね。基本的にクルーズツアーに申し込まないと近づけず、主なツアー会社は3社でそれぞれ1日2回、入れ替え制で100~200名を連れて行くだけ。つまり1日の最大上陸数は僅か1000人程度であり、当然天候や波が高いと上陸できませんから、年間30万人というのは現状でのほぼ上限だと言えるわけですな。

見学できる範囲は島内のおよそ4分の1程度であり、炭坑側から居住区を遠巻きに眺める程度です。テレビで見せてくれるような居住区の内部に入れるわけではありませんし、写真を見ても分かる通り、簡単に言えば東日本大震災の後に訪れた東北の沿岸地域のような人工物の瓦礫を見に行くツアーです。他の多くの世界遺産のように荘厳な建築物とか大自然と調和や優美さなどとは一線を画し、舟から島を見た時の感激度からは打って変わって、帰る頃にはむしろ「兵どもが夢の跡」といった感傷をはらんだイメージを抱きました。まあ九州の産業革命遺産は、当然ここ100~200年程度の比較的新しいものなので、遺構に人の営みを大きく感じるのは当たり前と言えばそれまでですけどね。もちろん、事前に高島という所にある資料館で島の概要などは模型を使ってしっかりと説明してくれますし、現地でも要所要所で説明が入るので、情報量としては十分に満足の行くツアー内容でした。全景が見たい方は「周遊」を含んだツアーを申し込むと良いでしょう。立地上、「保全」といっても非常に難しく、日々少しずつ崩れてしまうような所なので、それが逆に「本当に現状を見学できるのは今しかない」という希少性を生み、参加者の急増やリピーターを呼ぶ可能性にもつながっているのかもしれません。観光地の多くは「一度いけば満足」となり易い中、これは大きな強みですね。

数10年後には何もなくなっているかもしれませんし、現状でも上陸に使っている桟橋付近が壊れたらもうツアー維持が困難になってしまうようなので、行きたいと思われている方は早めに行くべきだと思います。