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世界遺産長崎

2018年05月04日 | 時事
「潜伏キリシタン」世界遺産に登録の見通し
国内22件目「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が登録勧告(内定)となった模様です。

昨年は「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」が登録されましたし、2013年の富士山以来、富岡九州西洋美術館、沖ノ島と、毎年順調に登録が増えていますね。ちなみに今年同時に申請していた沖縄のやんばる地域を含む「奄美・琉球」の方は一旦見直しとなってしまったようです。まあ話題性という意味では1年に1つ通れば十分でしょう。
実は長崎も一応2016年に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」で申請していたのですが取り下げとなり、もう一度構成資産を見直して今年再び登録を目指していました。リンク先でも書いたように、キリスト教関連は世界的に見ても世界遺産が多すぎるので、宗教的な偏りを考えると「日本にもキリスト教施設がありますよ」程度のアピールでは登録は難しいのかな、と個人的に思っていました。それが今回はしっかりと価値を洗い直し、日本独特の「禁教令が出た後も宗教心をもったまま250年間潜伏していた」という世界に前例のない歴史にスポットを当て、名称に「潜伏キリシタン」を入れて資産を精査したことが評価されたみたいですね。秀吉の時代に禁教令が出た後、宣教師も全員帰国命令が出て、残された信者も公に活動できなくなったわけですが、マリア観音など仏教にカモフラージュしながら密かに信仰心を持ち続けました。さらに「島原の乱」では単なる地方の農民一揆に留まらない殉教の精神とパワーにに徳川幕府も恐れを抱き、以後250年に及ぶ鎖国状態となったわけです。しかしそれでもその信仰心は生き続け、明治になり文明開化とともに長崎にやってきたフランス人の神父が長崎の大浦天主堂で潜伏キリシタンを発見し、奇跡の「信徒発見」というニュースがヨーロッパに伝えられたのだとか。宗教が迫害を受け流浪の民となったようなケースは世界中にありますが、時の為政者から完全に禁じられた状態で何代にも渡って隠れて信仰が続いていたと言うケースは確かに世界的にも稀有な事例に違いないでしょう。

例によって長崎大浦天主堂とその他数ヶ所の施設は踏破済みです。行ったのは2015年なので、当時の構成資産候補の場所と最終的に登録(勧告)された場所では少し変更があり、歴史の浅いコンクリート作りの天主堂などは資産から削られてしまった模様ですね。まあ地方のそういった施設はそもそも「潜伏」するために目立っちゃいけないので(笑)観光という視点で捉えると明らかにアクセスが良くない場所にある施設が多いわけです。半分は五島列島などの島にありますし、自分は車で行ける範囲で回りましたが、国道から外れた山道を上がっていくような場所や、駐車場2台、トイレ建設中というような場所もありましたからね。まあこの3年でちゃっかり観光地化が進んでいるのかもしれませんが・・・

GW前に勧告されると観光客が一気に押し寄せそうだなあ(笑)来年は仁徳天皇陵なので、自分のようにホットスポットになる前に訪れてはいかがでしょう?