その瞬間は迫っていた。まだ自分の気持ちに整理出来ずにいると言うのに…帝の元に残る気持ちが強いのに、お迎えの使者には何をしてもかなわない…出来る事ならいっその事、その時が来る前に逃げ出してしまいたい…誰も傷つけず、誰にも会う事も無くひっそりと…そこへ私の気持ちがひと休みするような出来事が起こる。一羽の丹頂鶴がこちらへとやって来る。まるで今の私を見るようだ。群れから離れ迷子のように…駄目こっちに来ては…そう声を掛けたくとも大声を出して竹林で羽を広げてしまったら羽が折れてしまう…かと言ってそのままにしてもどんどん竹林に埋もれて行ってしまう…そんな時、とうとう月からの使者が月明かりで私を探し始めた…もう駄目だ…終わりだ…このまま見つかってしまえば帝にお別れも告げずに連れて行かれてしまう…もう現実から目をそむけたい一心でそっと目を閉じた…すると少し落ち着いたみたいだった。一緒に過ごした時間が思い起こされる…帝と共に楽しかった日々が…そうだ思い出の中の貴方にお別れをしよう…そんな時だった。あの丹頂鶴が羽を広げたのは。バサバサ、駄目、羽が折れちゃうじゃない!じっとして居れば朝がやっ
て来るわ。そうすればまた仲間の元に帰れるの!アナタは私とは違うの…生きるの…そんなかぐや姫の気持ちも知らずに丹頂鶴は羽をなお一層、羽を羽ばたく。すると見つかってしまうと思った月の使者にいっこうに見つからない…そう丹頂鶴が羽ばたいたお陰で月明かりをさえぎっていたのかも知れない…単なる偶然かも知れない…貴方が命がけで私を守ってくれたの?しかし所詮は丹頂鶴に言葉など通じるはずも無い…助かった安堵感からだろうか、良く見ると何1つ丹頂鶴は傷ついていない。もしかすると帝が丹頂鶴になって守ってくれたのかも知れない…ただ何1つとして判らないが、かぐや姫が月の使者に連れて行かれなかっただけ…それだけが残った…その後助かったかぐや姫が帝と一緒になったか?は知るすべは無い…何せこの竹林にいたのはかぐや姫と丹頂鶴だけなのだから…そもそもかぐや姫自体、竹から産まれたなんておとぎ話。何が起きてもおかしく無いのだから…
て来るわ。そうすればまた仲間の元に帰れるの!アナタは私とは違うの…生きるの…そんなかぐや姫の気持ちも知らずに丹頂鶴は羽をなお一層、羽を羽ばたく。すると見つかってしまうと思った月の使者にいっこうに見つからない…そう丹頂鶴が羽ばたいたお陰で月明かりをさえぎっていたのかも知れない…単なる偶然かも知れない…貴方が命がけで私を守ってくれたの?しかし所詮は丹頂鶴に言葉など通じるはずも無い…助かった安堵感からだろうか、良く見ると何1つ丹頂鶴は傷ついていない。もしかすると帝が丹頂鶴になって守ってくれたのかも知れない…ただ何1つとして判らないが、かぐや姫が月の使者に連れて行かれなかっただけ…それだけが残った…その後助かったかぐや姫が帝と一緒になったか?は知るすべは無い…何せこの竹林にいたのはかぐや姫と丹頂鶴だけなのだから…そもそもかぐや姫自体、竹から産まれたなんておとぎ話。何が起きてもおかしく無いのだから…