製本スタイルに、ハードカバーとソフトカバーの違いがあります。ハードカバーはきらいです。三つの理由があります。
第一に読書をするに不便です。読書をする時は、出先の待ち時間や乗車時間です。家にいる時は茶の間で座って読んだり、寝転がって読むことが多いのです。机に向かって読書をすることが、まずありません。要するにチョイ読書です。
資料調べや広範な読書が、仕事上の重要な要素であったり、能力の基礎ベース構築に必要な方がいます。そういう職業を除く大方の人は、私のような「チョイ読書派」ではないでしょうか。
ハードカバー本は重く、ハードカバー自体が曲がらないこともあって、片手で読むのには向きません。カバンに入れておくにもかさが高い。選書、新書、文庫などのソフトカバー本が、何につけても便利です。地球環境のための省エネ観点からも、オススメと言えます。
第二に、一般にハードカバー本の方が値が高い。製本コストをかけて、立派に見せかけて、売価を少し高くして、売り上げを稼ごうというのでしょうか。出版商業上の理由で、消費者(読者)が不便を忍ぶことになるのでしょうか。
第三に、権威ぶったニオイがします。著者や編集者その他の出版関係者がその本を企画するにあたって、著者または本の内容の格式を判断して、ハードカバーを採用している感があります。
これは、見栄です。著者や本の内容へのお飾りにしかすぎません。高額のスーツやワンピースを着ている彼・彼女が、廉価品のそれを着ている彼・彼女より立派な人格であるとは言えません。身にまとっているもので、人間の格が決まるわけではありません。
学術書、全集本や辞書・事典類など、長年月の保存が必要とされるものは、また別の話です。