きょう6月23日は「沖縄慰霊の日」です。沖縄戦のことではありませんが、朝日新聞(大阪)朝刊の読者投稿欄「声」から、一つ転載致します。
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■「天皇陛下万歳と言え」と母は教えたが、私は「戦犯だった」とつぶやいて死ぬだろう(大阪府・山田さん 男性78)
今年もまた敗戦記念日がめぐってくる。
私が海軍少年航空兵として15歳で鹿児島航空隊に入隊した時、大阪駅まで見送りに来た母は、動き出した汽車の窓越しに私の手を握りしめた。
「死ぬ時は『天皇陛下万歳』と言いなさい。靖国へ会いに行くからな」と言って涙をこぼした。
あれから60有余年。余命いくばくもなくなった今、再び過ちをくりかえさないためにも、ぜひ一言いわせて欲しい。
天皇陛下は神様だというばかげた国体護持の教育のせいで、沖縄地上戦の悲劇に加えて広島、長崎に原爆が投下されたのである。
今さら悔やんでも仕方がないが、天皇が神であったのなら、今少し早く国体護持を捨ててポツダム宣言を受諾し、終戦の詔勅を出して欲しかった。そうすれば、どれほど多くの人命が救われ、被害を免れたことか。
戦争の記憶は日に日に消え去っていく。あの戦争を生き延びてきた老人たちが生きている間に、国民を駆りたてた無謀な全素犯罪を総括してもらいたい。
私は、母に言われた「天皇陛下万歳」の代わりに、「天皇はやはり戦犯だった」とつぶやいて死ぬだろう。