川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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生活保護費年500億円削減、また弱者殺しか!

2006-06-25 09:29:27 | Weblog


生活保護費、年500億円削減。政府の財政再建策の一環としての、厚生労働省の新しい方針です。医療、介護では国民負担率をすでに改悪したので、次は生活保護費を減らす方針だそうです。

私の持論です。病者、障害者、高齢者のように経済的に国家に貢献できない社会的弱者であっても、人間社会の中でなんとか生き延びて暮らしていけるだけの経済的保証を、国家がしなければいけない。

このことを私は絶対的な命題として、自分に課しています。

◇「不平等だから」という不当な議論

「一生懸命に働いて税金を納めている人と比べて、それは不平等だ」という、不当な議論があります。しかし、納税をしている人たちが、不平等で損な立場にあるというのは、まちがいです。

眠る暇も惜しんで勉学や労働に励んだ結果、また幸運や血筋のおかげなどの理由で、巷の庶民より多くの収入を取り込むことができたのです。その結果、自然に納税額が増えたのです。それが不平等で嫌なことならば、これまで自分の取り分としてきたものを、他の人の取り分に回せば良い。

経済的収益の源には、すべて人間の心身の労働が介在しています。総トータルのうち、より多く収入を得るということは、より少ない収入の人たちの働きの果実から何分かを取り込んでいることです。

◇「財政が厳しいから」という不当な議論

国であろうが何であろうが、元気な個人が税金を納めることによって運営されています。根本は「今ここに実際に生きて暮らしている個人」です。医療、介護、税負担を増やし、生活保護費を減らすということは、経済的に貢献できない社会的弱者の生存を保証できない国家であります。

私の老母は81歳です。気丈な母で、若いときから働いて二人の息子を育てました。1年半前に脳梗塞を起こし、今年はすでに2回、心不全で入院しました。脳梗塞で軽い痴呆症になりました。幸い身体障害はありません。2週間前に退院して、デイケアセンターのお世話になっております。医療保険と介護保険のお世話になっています。

近所に3人の子のうち、2人までが知的障害者という老夫婦がいます。月に17、8万円の年金暮らしです。そこから2人の施設暮らしの費用を拠出しています。どうして暮らしていけるのだろうと不思議に思うほどです。

国家は、こういう社会的弱者の助けを求める手をふりほどき、見放してどうするつもりでしょうか。野良猫や野良犬を保健所に集めて殺処分にするのと、論理的には同じことでしょう。

どのような人であれ、最低限生きていく費用をカットすることは許されません。「国家としてこの費用をどうして捻出するのか」。これを議論するべきでしょう。何としてもどこからか、そのお金をひねり出す必要があります。

財政的理由によって、生存支援費をカットしたり、生存必須費用の個人負担を増額することはしてはいけないことで、議論の対象にはなりません。


◇私たち庶民のナマの生活の視点で吟味しよう

耐震性偽造事件、ライブドアや村上ファンド事件、福井日銀総裁の村上ファンド投資、代表者が財界有力者であるオリックスのサラ金出資(有力銀行はもちろん出資・業務提携をしています)など、社会の経済界をリードする人たちのやることは余り信用できません。その国家財政や社会に対する提案や発言も信頼できません。

私たち庶民は、生きているナマの生活の視点から、いろいろなことを常に吟味し直すことを求められています。

私たちの考えはテレビや新聞雑誌で見聞きしたことに大きく影響を受けています。しかし、テレビでも新聞雑誌でも、発言をし評論をする人たちの多くは日常の生計費に苦しんではいないのです。





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