私たち庶民の心根には、うまくやっている人たちへの羨望があると同時に、嫉妬心も根深くあります。誰かが少しうまくやっているようだと嫉妬心から足を引っ張る傾向があります。またどこか弱みのある人を見つけ出して叩き、自尊心を満足させるという残酷で愚かな心も潜んでいます。
きのうの生活保護削減ニュースの中で、東京23区内の一人暮らし老人の生活保護金準額が月約8万1千円、同条件で国民年金満額6万6千円だから、生活保護費を減額して当然という議論がありました。
両者とも、憲法の生存権を否定するような底辺生活を強いられる水準です。
議論の方向が、まったく逆です。両者の比較で言えば、国民年金を生活保護の水準に引き上げるべきでしょう。ついでに乱暴なことを言えば、共済年金の水準まで引き上げるべきでしょう。
生活保護費受給者も年金受給者も、庶民同士です。庶民同士で、下が上を見て、「あいつの方が自分より受給額が多いのはぜいたくだ、引き下げろ」といったところで、何になろう。庶民仲間をひきずりおろして何になろう。
下が上を見て、「あいつと同じ金額まで引き上げてください」。上が下を見て、「あれじゃあかわいそう。こっちと同じ金額まで引き上げてやって」。これ、理想です。
仲良く力を合わせて大合唱を続けるのが、私たち庶民にとって最もプラス!
その際、年金制度や生活保護制度の仕組み、財政の解説など、聞いてもしかたありません。各種保険の個人負担額を増額したり、年金や生活保護を切り下げたりということなら、バカでもできます。私でも権限さえあればできます。
高齢者や障害者などのために、最低限の生活費用を保証していただくだけで良いのです。多くは望みません。政治家も行政当局も、それを工夫し悩んでいただきたい。
政治家、政策立案者、行政を実行する方々にひとつお願いがあります。生活保護基準額月約8万1千円、国民年金満額6万6千円のどちらかだけで、1年間、実験生活をしていただけませんか?