テレビが2011年にデジタル放送に切り替わるというのが、近年の家電業界の販売促進事業にもなっています。アナログ放送で不自由がないので、家電業界のために奉仕させられるのかと慨嘆しておりました。
次の転載記事をご覧ください。記事中の「コピーワンス」は、その不利益度がひどすぎるというので、今は「ダビング10」になりました。しかし、録画メリットの本質については変わりありません。
掲載元のホームページはhttp://home.att.ne.jp/zeta/gen/celljong/fc/42.htmです。
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皆さん、ご存知だと思いますが2011年にアナログ放送が停波し、デジタル放送に全面移行する予定になっております。
さてこのデジタル放送、テレビ離れを食い止める救世主となりえるのでしょーか?
よく使われる言葉に「可処分所得」という言葉があります。
最近ではこれをもじって「可処分時間」という言葉が現れました。
文字通り、一日のうちで自由に使える時間をさす言葉です。
メディアコンテンツが供給過多のこの時代、いかにしてこの可処分時間から多くの時間を自メディアのコンテンツに割いてもらうか?というところから生まれた言葉です。
雑誌、DVD、ゲーム、インターネット、テレビ、新聞等々、現在にはメディアコンテンツがあふれかえっています。
当然それらの全てを利用しようとすれば24時間では足らないわけで…。
その中から各個人が興味を引くものを選択して利用していくというわけなんですが…。
この中で「テレビ」は果たして生き残れるのでしょーか?
デジタル放送の「デ」の字もなかった2000年台初頭、私は多くのお客さんに、「これからはPCでテレビを観る時代がやってくるよ。PCでテレビを観るとこんなに便利だよ」 といって、さかんにテレビキャプチャー製品をオススメしたものです。
PCでテレビを観るメリットは様々あります。
・LAN経由で簡単に録画画像を配信できる。
家庭内でLANを組んでいるご家庭なら、そのうちの1台がビデオサーバーになることで簡単に家庭内のどのPCからでも録画放送を楽しめます。
・PCで他作業と並行してテレビを観れる。
テレビを観ながらちょっと出演者について調べたいときなど、ブラウザを起動してマルチウィンドウで簡単にネット検索ができます。これってデジタル放送のウリそのものですよね。
・録画データの様々な視聴方法が可能。
倍速で観る、コマーシャルカットする、もちろん早送りやスキップ、コマ送りにスロー再生。なんでもござれです。
・録画データの必要な部分だけを動画ファイルとしてアーカイブできる。
お気に入りのCMだけを集めたり。一部分だけ保存したり。OP・EDだけ集めたり。自由自在です。
ね、便利でしょ。でもこれってアナログ放送だけのメリットなんです。
デジタル放送に切り替わったとたん、これらのメリットのほとんどが消滅します。
その元凶が、かの悪名高き「コピーワンス」です。
一回しかコピーができない。他媒体に移すにはムーブしかできない。録画したPC本体でしか観れない。一般的な動画再生ソフトで観れない。もちろん編集してアーカイブなんてとんでもない(笑)。
これが2011年からのテレビの姿です。
このコンテンツ豊かな時代に、貴重な時間を割いて、今より不便になったデジタル放送を視聴し続ける人がどれくらいいるのでしょうか?
GoogleのYouTube買収などがこれに拍車をかけてきます。
テレビ視聴率の中核を支える高齢者の方々もドンドン少なくなってきます。
「テレビ」は真剣にその将来を考えるべきでしょう。
ユーザーの利便性を踏みにじるメディアが生き残れるような甘い時代はとっくの昔に終わっています。
ちなみにデジタル放送、唯一の優位性である高画質ハイビジョン。
これがデジタル放送普及の立役者となるのでしょうか?
多分ならないと思います。
YouTubeがあの低画質で、一日一億PVあることを考えれば明白です。
我々はキレイなテレビ放送を求めているのではなく、情報価値がありアーカイブできる放送を望んでいるのです。
「テレビ」が唯一生き残る道は、過去の放送データを全てネット上でオンデマンド配信することです。それも無料で。
もしそれが可能になれば、そのテレビ局サイトの広告収入はYouTubeの比でないはずです。
そしてそれは、もはや従来の「テレビ局」ではありません。 新しい時代のメディアの寵児であり、コンテンツホルダーの覇者たりえるでしょう。