川本ちょっとメモ

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<再考> 安倍首相は、選挙直近に株高対策=経済対策を打つ

2016-06-08 19:40:17 | Weblog


安倍首相の政治スタイルの実績から見て、川本ちょっとメモ5/18付と5/27付記事では、選挙直近に株高対策=経済対策を打つと書きました。

2016年7月の参院選向けに、1月29日、日銀はマイナス金利政策を打ち出しましたが、株価には全く効果がありません。

日銀が無力になって、政府は3月から財政出動の準備に入っています。財政出動は補正予算の形を取るので、実行は参院選後の秋になります。

それで、参院選前には、消費税増税延期の約束と、大型補正予算による施策を約束することになります。これからその経済施策はこれからより詳しく有権者に提示されるでしょう。

<株価グラフを見る>
2015年までの株価グラフを見ればわかりやすいので、下の西暦年をクリックしてご覧ください
→→ 2012年2013年2014年2015年



2012年(平成24年)野田内閣


2011年(平成23年)は3月11日に東日本大震災が発生して、苦難の年になりました。

翌年になる2012年5月~11月、日経平均株価終値は8,800円くらいを前後して推移していました。その後11・16衆院解散から12・16衆院選院投票日に向ってじりじりと上げて、年末ぎりぎりに安倍内閣が成立し、12月28日の日経平均株価は10,395.18円でした。民主党政権に失望しきっていた世情が、自民党政権による政策転換に希望をつないだことの表れでした。

   2012年01月05日 日経平均 8,560.11円
      03月27日 日経平均10,255.15円
      06月04日 日経平均 8,295.63円 
      08月21日 日経平均 9,156.92円
      11月14日 日経平均 8,664.73円
      11月16日 衆院解散(野田内閣) 
      12月14日 日経平均 9,737.56円
      12月16日 衆院選投票日、政権交代へ 


2012年12月安倍内閣成立~2013年7月参院選
 景気刺激策 → 日銀「異次元金融緩和」

2013年1月11日総理記者会見で、安倍首相は、緊急経済対策を発表しました。

「安倍政権では、まず政策の基本哲学を変えていきます。「縮小均衡の再分配」から、「成長による富の創出」へと大胆に転換を図っていきます。「委縮し続ける経済」に決別をして、イノベーションや新しい事業が次々と生み出されていくような、そして、それによって雇用と所得が拡大をしていくという「強い経済」を目指してまいります。強い経済を取り戻していくためには、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という三本の矢を同時展開していくべきだと考えています」

「規模の面では、補正予算による財政支出は13兆円、事業規模は20兆円を超える、リーマンショック時の臨時、異例な対応を除けば、史上最大規模となります。この対策によって、実質GDPをおおむね2%押し上げ、約60万人分の雇用を創出してまいります。経済再生への強い意思と明確なコミットメントを示す本格的な経済対策に仕上がっていると思います」

そして、2013年4月4日、日銀は「異次元金融緩和」政策を発表します。その内容は次の通りです。

(1)日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する(注1)。このため、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長するなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を行う。

(2)量的な金融緩和を推進する観点から、「マネタリーベースが、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。」

(3)イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から、長期国債の保有残高が年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。また、長期国債の買入れ対象を40年債を含む全ゾーンの国債としたうえで、買入れの平均残存期間を、現状の3年弱3 から国債発行残高の平均並みの7年程度4に延長する。

これで金融・証券界は賑わい、デパートの高額品が売れ、それがテレビニュースやワイドショーでどっさり伝えられて、世間は株高効果で浮かれました。民主党政権時代とは打って変わった上げ潮ムードのさなかで参議院選投票日を迎えました。

  2012年12月26日 自公連立政権・安倍内閣成立
      12月28日 日経平均10,395.18円
  2013年03月20日 黒田東彦、日銀総裁に就任
      03月21日 日経平均12,635.59円
      04月04日 日銀、異次元金融緩和決定
           物価上昇2年で2%上昇が目標
      04月05日 日経平均12,833.64円
      07月19日 日経平均14,589.91円
      07月21日 参院選投票日


■2013年7月参院選後~2014年12月衆院選
 8ヵ月で息切れ → 日銀「異次元金融緩和」拡大、年金積立金「株投入倍増」

安倍首相は「株高」に全力を尽くしています。「円安」も「株高」を作り出すための方策です。「株高」でさえあれば、ほかの政治でさまざまな無理押しをしても国民は文句を言わない。そう思っています。

異次元緩和は成功し、世間は「株高」に沸いて、自公与党は2013参議院選で勝ちました。

ところが2014年に入ると「異次元緩和」効果が息切れします。8ヵ月しかもたなかった。5月19日14,006.44円まで、年初から下げ続けます。その後は15,500円ラインを上下してもたつきます。

2014年10月31日、日銀「異次元金融緩和拡大」決定、塩崎厚労相が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年金積立金「株投入倍増」を認可しました。

この施策は効果てきめんでした。株価上げ潮の中で、12月14日衆議院選投票日を迎えます。2014衆議院選、自公与党勝利。またも勝利です。

しかし、年金積立金の株投入比率をここまで増やすことは、株価下げ場面でのダメージが大きく、安倍内閣温存という安倍晋三私的目的のために国民の老後資産を危険にさらすものです。

   2013年12月12日 与党、平成26年度税制大綱発表
            復興特別法人税1年前倒し廃止決定
      12月30日 日経平均16,291.31円

   2014年01月06日 日経平均15,908.88円
      05月19日 日経平均14,006.44円
      09月25日 日経平均16,374,14円
      10月17日 日経平均14,532.51円
      10月30日 日経平均15,658.20円
      10月31日 日銀、異次元金融緩和拡大決定
        〃   年金積立金、株式投資25% → 50%へ
      10月31日 日経平均16,413.76円
      12月12日 日経平均17,371.58円  
      12月14日 衆院選投票日 


2014年12月衆院選後~2016年7月参院選

2015年の株価は順調だったのですが、8月下旬~9月末までガクンと値を落とします。2回目の「異次元緩和拡大」と「年金積立金株投入倍増」の効果は10ヵ月しかもたなかった。

しかし日経平均株価は10月始めに18,000円を取り戻し、それから年末にかけて良いペースを回復しました。

この8月下旬~9月いっぱいの株価下げ局面の影響で、GPIF第2四半期は、期間収益ー7兆8,899億円になっています。もっともGPIF第3四半期は、期間収益+4兆7,302億円と黒字になっていて、通算ー3兆1,597億円です。

2016年の日経平均株価は年初から6営業日続落して、衝撃を与えました。1月21日16,017.26円まで下がり、1月29日日銀は「マイナス金利導入」を決定しました。そんなことできるのん? 

驚きの「マイナス金利」発表でしたが、株価には何の影響を与えることもできない。証券・金融界は日銀の追加施策を期待しましたが、3月25日日銀はマイナス金利継続を表明することしかできず、証券・金融界の失望を買いました。

しかしこれで、日本政府と日銀は、日銀のできる金融操作だけでは経済局面を打開できないことを世界に公表したことになります。おまけにその後の株価の低迷が、政府・日銀・GPIFなど公的年金機関投資家が無力であることを示しています。さらに、これらの事実が安倍内閣誕生以後のアベノミクスの実績が失敗だったことを明示しています。

安倍内閣誕生から異次元緩和で安倍首相に奉仕してきた日銀は今や、打つ手を縛られて喘いでいます。

   2015年01月05日 日経平均17,408.71円
      08月20日 日経平均20,033.52円
      08月25日 日経平均17,806.70円
      09月29日 日経平均16,930.84円
      10月05日 日経平均18,005.49円
      12月02日 日経平均20,012.40円
      12月30日 日経平均19,033.71円

   2016年01月04日 日経平均18,818.58円
      01月21日 日経平均16,017.26円
      01月29日 日銀 マイナス金利導入決定
        〃   日経平均17,518.30円
      02月12日 日経平均14,952.61円
      02月26日 日経平均16,026.76円
      03月14日 日経平均17,233.75円
      03月15日 日銀 マイナス金利継続決定
      03月18日 日経平均16,724.81円
      05月19日 日経平均16,646.66円
      05月20・21日 伊勢志摩サミット財務大臣・中央銀行総裁会議
      05月26・27日 伊勢志摩サミット首脳会議
      05月27日 日経平均16,834.84円
      06月01日 首相記者会見、消費税延期
      06月07日 日経平均16,675.45円
      07月10日 参院選投票日


2016年7月参院選に向けての経済公約

6月1日総理記者会見で、安倍首相は「消費税10%増税延期」を公式に表明しました。消費税増税延期を経済対策と見ない人もいるでしょうが、これは立派な経済対策と言えます。その分だけ、消費減少を防げるからです。

そして安倍首相は、「アベノミクス『三本の矢』をもう一度、力一杯放つため、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋、講じる考えです」と話しました。

黒田バズーカとか言う黒田総裁の日銀には、その異次元緩和には、もはや日本経済を主導する力がありません。それで政府は、3月ころから財政出動を検討しています。これは補正予算の形を取るので、参院選に間に合いません。おそらくこれから参院選投票日までに、より具体的な施策が有権者に提示されるでしょう。


三度目まで化かされたくはない

2013年参院選、2014年衆院選と2回、国民は安倍政権に化かされました。恩恵は底辺にまで及ぶはずでした。今年2016年参院選は、「三度目」になります。仏の顔も三度までと言いますが、三度まで化かされてはたまりません。大型補正予算は、巨額赤字国債によって賄われます。アベノミクスはこれまでに公的年金資金をつぎこみ、日銀に従来にない規模で赤字国債を買わせてきました。安倍首相のアベノミクスは、国民資産を食いつぶす危険にさらしているのではないか。もうやめてほしい。不安です。

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<私のアピール> 安倍総理退陣を願う

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍総理退陣まで、国政で安倍自民党に“No”を !
安倍総理を支持する政党、政治家、安倍総理にすり寄る候補者に、
次の参院選・衆院選で彼ら彼女らに“No”を !

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」をめざしています。
安倍首相の抱く国家像は「明治維新リメーク型日本」です。
平和な暮らしで栄えてきたデモクラシー日本。なぜ壊すのですか?

2012年12月26日、安倍内閣が成立しました。
アベノミクス効果で円安・株高が実現しました。
それは、日銀の過剰な国債購入、GPIFの過剰な株式買い入れを伴っています。

円安効果で輸出大企業が栄えました。同じ円安効果で食品など生活関連品、電気代などエネルギー費が値上がりして、大衆には生活費切り詰め効果がありました。

アベノミクスの円安・株高効果の本質とは、なんでしょう?
国民大衆の生活費で、少数の大企業や株投資家の金庫を富ませている結果ではありませんか?
国の財政を浪費して危険度を高め、年金資金を危ないリスクに賭けることではありませんか?
これまでの実績を見ていると、アベノミクスで国民一般が潤うときは来ません。
そのうえ、アベノミクスはすでに、行き詰まっています。

安倍内閣下で特定秘密保護法が成立しました。安保関連諸法が成立しました。内閣法制局長官と、自民党・高村副総裁と、公明党・北側副代表の三者で手を握って、憲法違反の集団的自衛権を合憲だと、押し通しました。NHKの経営委員や会長には、安倍首相の息のかかった人が座りました。

政府に「批判的な」テレビ論調に政府・自民党の圧力がかかりました。
政府に「同調的な」テレビ論調に、圧力はありません。政府・自民党が「公平でない」のです。
テレビ局や公共の会館管理者などに自主規制が広がっているように見えます。
安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。安倍総理退陣を願っています。



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