<政治とカネ>安倍内閣シリーズ記事
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<政治とカネ> 安倍内閣 甘利前大臣の大臣室現金授受を忘れない(2)
<政治とカネ> 安倍内閣の西川公也元農水大臣 大臣は辞職・議員辞職はなし 痛くもかゆ くもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の小渕優子元経済産業大臣 大臣辞職したが議員辞職はなし 痛く もかゆくもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の「政治とカネ」辞職大臣が8名、多過ぎる!
<政治とカネ> 安倍首相 世襲政治資金は相続税免除(合法)、世襲政治団体は認めるべき じゃない
■甘利前経済再生相、4ヵ月国会逃亡
甘利前経済再生相は今年2016年1月28日大臣辞任記者会見以後、野党の国会出席要求があっても、一切の国会審議を欠席しました。
2月16日には衆議院運営委員会理事会に、睡眠障害のため「ストレスを避けて安静にするように」自宅療養1ヵ月を認める15日付診断書を提出しました。3月15日にはさらに2ヵ月療養の診断書を提出し、6月1日国会閉会まで欠席を貫き、6月6日に姿を現して政治活動再開を表明しました。
この「4ヵ月の国会逃亡生活」が、辞職記者会見で語った彼の「美学、生きざま」の実態でした。これが「忍法安倍隠し」の術です。
■西川公也元農水大臣、辞職(在職 2014.9.3.~2015.2.23.)
甘利前経済再生相は今年1月28日に辞任表明しました。安倍内閣ではその1年前、西川農水大臣が大臣辞任しています。2015年2月23日でした。理由はやはり、政治とカネの問題でした。大臣就任は2014年9月3日。2014年12月総選挙後の組閣で再任を経て、半年を待たずに辞職したわけです。さっと身を引かせて、世間の注目から隠れる。これが「忍法安倍隠し」の術です。
■西川公也元農水大臣、衆院TPP特別委・委員長に就任(2016.3.24.)
西川公也元農水大臣は今年2016年3月24日、衆議院に新しく設置された「環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会」(TPP特別委)の委員長に就任しました。政治とカネの良くないことで大臣辞職してからほぼ1年の後、TPP特別委・委員長という要職に返り咲きました。1年間おとなしくさせて、ほとぼりがさめたら表舞台に返す。これが「忍法安倍返し」の術です。
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■西川公也前農水大臣、辞職の事情
毎日新聞 2015/03/18 「記者の目」から
西川氏の献金を巡る問題は二つ
西川氏の政党支部「自民党栃木県第2選挙区支部」が2012年9月、4カ月前に林野庁の補助金7億円の交付が決まった栃木県鹿沼市の木材加工会社から300万円の献金を受け、交付決定から1年間の献金を禁じた政治資金規正法違反の疑いがある。
後に分かるが、西川氏は落選中の10年8月から農相就任までの約4年間、同社顧問として計946万円の顧問料を受けていた。
また政党支部は13年7月、4カ月前に国から13億円の補助金交付が決まった砂糖業界の団体「精糖工業会」の関連会社「精糖工業会館」から100万円の献金を受けていた。
献金時期は砂糖を含む「重要5項目」の関税維持を求める環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に日本が初参加する直前だった。
◇2団体トップ、「一体」と認識
西川氏は国会などで、木材加工会社について「補助金のことは知らなかった」と説明。工業会については「工業会と工業会館は別法人で、違法ではない」と強調した。
しかし、木材加工会社やその子会社が受けた補助金のうち、10年9月〜13年11月の5回計21億7000万円は西川氏が同社の顧問を務めていた時期と重なる。
補助金は同社の新設工場の設備投資に充てられ、新工場のニュースは地元紙にも度々取り上げられた。別の業者からは「補助金を受けて拡大したのは業界では常識」との声も聞かれる。
西川氏は12年12月の国政復帰後も顧問を続けながら、国会議員に提出が義務づけられる「関連会社等報告書」に記載しなかった。
2月23日の衆院予算委員会で語ったように顧問業務がほとんどなかったのなら、顧問料は事実上の献金ではないか。報告書に記載しなかったのは、そのことを隠したかったからだと思える。
また、砂糖業界からの献金について、「精糖工業会館」社長も兼務する精糖工業会会長は私の取材に「両者は一体なんだよ」と語った。その後、工業会の専務理事が「両者は別組織」と修正しているが、トップが「一体」と認識していたことは確かだ。
◇補助金と献金、突出する多さ
西川氏の辞任後、補助金と献金を巡る問題は他の閣僚や野党議員にも浮上した。しかし、西川氏の場合は補助金や献金の額が突出している。
また、相手は西川氏が専門とする農林分野の企業、団体であり、特に木材加工会社のケースでは、補助金制度に対する知識もあった。閣僚を辞めれば、それで説明責任が許されるわけではない。辞任時に記者会見しなかった西川氏には公の場で、数々の疑問や矛盾について説明してほしい。
国会では野党が政治資金規正法の改正を求める一方、与党からは法改正に消極的な発言が聞かれる。国会議員の「政治とカネ」問題の報道に携わってきた記者として言わせてもらえば、中途半端な対症療法では、今後も政権の数だけ新たな問題が生まれるだろう。
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■西川公也前農水大臣がTPP国会決議重要5項目
実行の要請を受ける政界実力者であることを示す記事
TPP 国会決議の実現求め要請文
JAグループ栃木
毎日新聞 2015年7月26日 地方版/栃木
大詰めを迎えている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉を巡り、JAグループ栃木は25日、宇都宮市内のホテルで「TPP交渉における国会決議の実現を求める緊急要請集会」を開いた。
農業従事者や県選出国会議員ら約300人が参加。「十分な情報開示がないなか、コメの特別輸入枠の設定や牛肉・豚肉の大幅な関税削減などが報じられ、全国の生産者に不安を与えている」と指摘し、政府や政党に対し重要5項目の関税維持を求めた衆参農林水産委員会決議を必ず実現するよう求める要請文を発表した。
TPP交渉は28日から、米ハワイで参加12カ国の閣僚会合が始まる。これに合わせてハワイへ向かう西川公也前農相(自民)は「交渉は決めることを前提に臨まない方がいい。国会決議を守ったと評価をもらえるよう最後まで頑張りたい」と語った。【田内隆弘】
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2015年2月17日
西川公也農林水産大臣の辞任を求める(談話)
社会民主党幹事長 又市征治
1.安倍政権の進める、農協「改革」やTPP問題を担当する西川公也農林水産大臣が代表を務める政党支部「自民党栃木県第2選挙区支部」が、選挙区内の木材加工会社から300万円の献金を受けていたことが発覚した。
「補助金を受けている企業だと知らなかった。違法性が考えられると分かったので返還した」などと釈明しているが、国の補助金交付決定後1年以内の政党や政治資金団体への寄付を禁じている政治資金規正法第22条の3第一項に明白に違反する。
返せばすむというものではなく、税金が政治家に還流されること自体が問題であり、知らぬ存ぜぬは通用しない。
2.また、同支部が、TPP交渉で関税撤廃の例外とするよう日本が求める「重要5項目」の一つであり、業界も保護を求めている砂糖のメーカー団体「精糖工業会」の運営するビル管理会社「精糖工業会館」から100万円の献金を受けていたことが分かった。
西川公也農林水産大臣は当時、自民党TPP対策委員長であり、現在も農水大臣として交渉に関わっている。利害関係のある業界からの献金は問題である。
また、精糖工業会は農林水産省の「さとうきび等安定生産体制緊急確立事業」で13億円の補助金交付が決まっており、精糖工業会と精糖工業会館は一体と考えるべきで、法の趣旨に照らせば抜け道を利用した脱法的な献金の疑いがある。
3.昨年秋には、同支部が農水相の親族企業2社に事務用品や土産代などとして支出をしていることが問題になった。
このように政治とカネの問題まみれの西川農水相の政治的・道義的責任はきわめて重大であり、閣僚としての職責を果たしうるか疑問である。西川農水相は、国民にしっかり説明・謝罪した上で、ただちに辞任すべきである。
また、多くの問題を抱えていたにもかかわらず、総選挙後改めて農水相に任命した安倍首相の任命責任は、極めて重い。西川大臣が自ら辞任しないのであれば、安倍首相は速やかに西川大臣を罷免すべきである。
4.社民党は他の野党と連携して、西川大臣の政治とカネの問題の追及を強化するとともに、辞任に追い込む決意である。