川本ちょっとメモ

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<加計・195国会攻防(2)> 韓国学生募集案内で虚偽宣伝もしくは誇大宣伝 結論は、加計学園の日程に合わせて獣医学部設置認可が下りている

2018-01-16 23:38:30 | Weblog

前回と同じ2017(H29).12.7.参議院文教科学委員会、内閣委員会連合審査会における民進党・白眞勲参院議員の質問を国会議事録で読みます。


岡山理大(加計学園)、獣医学部設置認可前に韓国で学生募集説明会

テーマは、獣医学部設置認可前に韓国で行われた学生募集。その募集に使われた韓国語「獣医学科募集案内」に、虚偽宣伝もしくは誇大宣伝と言うべき内容が含まれていることについてです。

韓国語のパンフを使って韓国で獣医学部設置認可前の学生募集活動をしても、日本ではわからないだろう。そして、学生募集パンフの中で岡山理科大学の学術成果の虚偽宣伝をしたり、獣医の収入の誇大宣伝をしても、韓国人にはわからないだろう。加計学園はたかをくくっていたことでしょう。


野党+政府答弁で政府側が説明を渋る事柄に注目する

与党質問+政府答弁の国会議事録を読んでいると、新聞をくわしく読んでいる身にとっては新しいことを知ることができるというほどでもなく、大方は政府広報を読んでいるような気持ちになります。

野党質問+政府答弁を読んでいると、野党議員の質問主旨から焦点をずらしたり、質問主旨と関係のない事柄を話して質問時間を浪費させる答弁が数多くあることがわかります。

野党の質問にまともに答えようとしない政府答弁が重なると、それは政府が説明したくない事柄なのだとわかってきます。説明を渋る事柄は、政権当局者にとってマイナスになる事柄なんだと、誰だって理解するでしょう。森友・加計はそういうものですね。

※議事録の掲載に際しては議事録の文字量が多すぎるので、文字量を少なくするために、議事録にある質疑答弁のことばを短く書き直している部分や、発言を一部省略しているところがあります。

※議事録原文に興味がおありの方は、http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/195/0190/main.htmlを参照願います。


(2017.12.7.参議院文教科学委員会、内閣委員会連合審査会)

 ※質問を<Q1> 答弁を<A1> …というように記します

 ※白眞勲議員の質問では、委員会に提出した資料を引用しながら話しています。この資料が
  何ページまであるのか、国会議事録だけでは知ることができません。この資料の1~6ペ
  ージは、文科省が民進党に提出した韓国のセハンアカデミーで行った説明会で使われた
  「獣医学部募集案内」です。



<Q1> 白眞勲議員(民進党)
 (※加計学園が獣医学部設置認可前に韓国において開いた獣医学部の説明会の資料だとして、2017.11.28.文部科学省が民進党に資料提出した韓国語の獣医学部学生募集パンフ6ページ分の4ページ目左下を示して) そこのところに何て書いてあるかというと、これ、4ページ目の一番下の部分ですけど、岡山理科大学は、ノーベル賞受賞者鈴木章教授、ワイアード・アウディー・イノベーション・アワード、これは英語だからあれですよ、受賞者、山本俊政教授を輩出し、全世界で認められている研究成果がある大学ですと書かれています。

 でも、鈴木章氏は北大の教授時代に、1979年の成果でノーベル賞を受けたわけで、岡山理科大学の教授となったのは北大退官後の1994年からたった一年だけなんですね。それでは輩出したことにならないんじゃないんでしょうか。これは大臣、お答えください。 

<A1> 文部科学大臣・林芳正
 私もちょっと韓国語が読めないものですから、今の翻訳でということでございますが、おっしゃられたように、韓国でのPR活動の際に配付しているパンフレットにノーベル化学賞受賞者の鈴木章さんを紹介した箇所があるところでございます。

 平成六年に岡山理科大学の教授として就任されたことは事実であるとは聞いておりますが、輩出というのは、優れた人物が続いて世に出ることと、こういう広辞林の定義によりますと、若干この記載は誤解を招く表現だというふうに私も見ましたし、そういう指摘が実際ございまして、既に削除をされておると、こういうふうに聞いております。 (注)虚偽宣伝です

<Q2> 白眞勲議員(民進党)
 これは毎日新聞に、11月15日にこの資料、そういう報道がなされていることは間違いないんですよ。そのときに、削除するということを言っているんですけれども、私、11月29日にネットからこれ入手しました。そのときには、まだこれ書いてあるんだよ。

指摘を受けたものがあるんだったらば、すぐに回収して別のものを用意しなければならないんじゃないんですか。これ、余りにもずさんですよ、これを一つ取ってみても。

 この間、これが記載されたまま普通に韓国では学生募集がされているということなんですよ。問題ないですか。

<A2> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 指摘の箇所については、既に削除しているということでございます。ただ、委員御指摘のとおり、その記述については、正確性を欠く、誤解を招く点については、文科省としても、法人の方に指導して、それについて対応いただいたということでございます。

 今後、学生に、募集に当たっては、誤解を招くことのないように説明を行うように法人に対しては適切に指導していきたいと存じます。

<Q3> 白眞勲議員(民進党)
 いや、これから気を付けますじゃないんですよ。学生は、一生に一回だけなんですね。ここはもっと深刻に考えなきゃ駄目なんじゃないんでしょうか。

 全くその辺について、ずさんですよ、この今の予定のぺたっと貼ったやつも。貼った、ぺたっと貼ったということを今認めたわけだし、それでこのノーベル賞受賞でしょう。
 (注)「予定のぺたっと貼ったやつ」という問題は前回記事<加計・195国会攻防(1)>に書
    きましたのでよろしくお願いします。


 次、この資料の次のページの5ページ見てください。
 一番下に日本語で、なぜ獣医学部が人気なのかと、これ皆さん読めるはず、という記述がありますけれども、その下にはこう書いてある。

 タイトルの下に、日本、職場人、これ職場人はまあサラリーマンのことでしょう、月給の2倍、3倍以上、高年収、高年俸代表職業獣医師というタイトルなんですね。

 その下を直訳すると、日本での獣医師は高年俸の職業として認識されています、三十代獣医師の平均年棒が7000万ウォン、まあ大体これは日本のレートで10分の1で700万円、それに肉薄し、大きな動物病院、総合病院に在職中の獣医専門医あるいは個人獣医師の平均年俸は1億、つまり日本円で1000万円以上ですと書いてある。
 (注)これ、誇大宣伝です。

 私、これ、ひとつ文科大臣、梶山大臣にも聞きたいんですけど、私も大学受験でいろいろ失敗したりしていたんですけれども、大学案内の中に、大学出たらこれだけの年収になりますよなんて書いてあった大学案内ないんですけど、これ質問通告していないけど、見たことあります。

<A3> 文部科学大臣・林芳正
 私の受験時代を思い出すと、38年前になりましょうか、ちょっとその辺は大変記憶が不明確でございます。

<Q4> 白眞勲議員(民進党)
 では、梶山大臣。


<A4> 内閣府特命担当大臣(地方創生)・梶山弘志
 大学の内容については書いてあっても、その先の就職先、またどういう資格を取ってかということに関しては私も見た記憶がございません。

<Q5> 白眞勲議員(民進党)
 普通、大学の案内に、ここにいらっしゃる委員の中に、大学案内の中に大学出たらこれだけの年俸ですよって、普通は書かれませんよ。これだけ見ても、何かまるで獣医師になると日本ではもうかるんだみたいなことを言っている。

 それで、ちょっと農水省にお聞きしましょう。
 三十代獣医師の平均年俸は幾らか。また、大規模な獣医系の病院で働く獣医師、つまりここに書かれている内容ですよね、さらには個人開業の獣医師の平均年俸は幾らでしょうか。

<A5> 農林水産大臣官房審議官 小川良介
 獣医師の平均年収につきましては、厚生労働省が公表しております平成28年賃金構造基本統計調査によりますと、従業員10人以上の企業に勤務する獣医師は、平均年齢が約36歳で、その平均年収を試算すると568万円となっております。なお、大規模あるいは個人経営の病院に勤務する獣医師といった規模別の平均年収につきましては、統計がないため把握していないところでございます。

<Q6> 白眞勲議員(民進党)
 つまり、今お聞きすると獣医師の平均賃金が568万円だということ、これ(※獣医学科学生募集パンフ) 700万円と書いてある。100万円ぐらい差が付いている。

 また、この700万というのはサラリーマンの平均年収の2、3倍だと書いてある。皆さん御存じのように、大体4、500万円ですよね、今サラリーマンの平均年収というのは。ですから、普通のサラリーマンの年収よりは少し高い程度かもしれない。

 ちなみに、国家公務員の平均年収、これ670万円。つまり、大企業のサラリーマンですとこれぐらいもらえるということでしょうから、この獣医師の平均賃金は決して高くない。ましてや2、3倍というのは、これおかしくないですか。文科大臣、どうでしょうか。

<A6> 文部科学大臣・林芳正
 PR活動、これ認可前のことでございますが、議員から御指摘のあったように、しっかりと誤解を招かないようにやっていくということが大事だと思います。

 今後はもう認可の後ということで募集活動ということになるわけでございますが、学生さんにしっかりと誤解を招かないようにということは常に我々も留意をしながら、必要な場合は適切に指導してまいりたいと思っております。

<Q7> 白眞勲議員(民進党)
 誤解を招かない、そのとおりなんですね。誤解を招いちゃ駄目なんですよ、今も申し上げたように一生に一回の話ですから。

 今の韓国というのは若年層の失業率、非常に高いです。日本の大学に入るには、韓国の一般家庭にとってみても、物価水準が違いますから、日本の人以上に韓国の人の負担感というのは大きいんですね。

 だから、これ見ると、いや、でも授業料払っても後で元取れるよみたいな、そんな感じの説得なんですね。

 それから、6ページ目の下の白抜きの部分、見てください。
 日本での獣医学部は高年俸職業人養成所という認識がありますって書いてある。その前に、岡山理科大学獣医学部は、現在の社会的使命を理解し、貢献できる国際的医療人養成所として誕生することになりますと書いてあります。

 これ、文科大臣、既存の獣医学部というのは高年俸職業人養成所なんでしょうか。これ随分と失礼なことが書いてあるんだけど、まず、これどうなんでしょうか。

<A7> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 全国に獣医学部あるいは獣医大学が16ございますけれども、基本的には獣医師の国家試験を合格し獣医師として働くということになっておりますので、給与についてはそれぞれの職種によって違いますけれども、目的としては、獣医師の資格を持って現場において活動するというふうな方だと理解しております。
 (注)「既存の獣医学部というのは高年俸職業人養成所なのか?」という質問に答えていま
    せん。


<Q8> 白眞勲議員(民進党)
いや、だから、聞いているのは、高年俸職業人養成所なんですかと聞いているんですよ。

<A8> 文部科学省高等教育局長・義本博司
先ほど申しましたように、獣医師の資格を持っていわゆる専門職としての活動をするいわゆる養成機関の一面を持っております。給与につきましてはそれぞれのなる職種によって異なりますけれども、ベースとしては、高度の獣医師の資格を持って活躍する人材を養成する大学としての高等機関だと理解しております。
 (注)「既存の獣医学部というのは高年俸職業人養成所なのか?」という再度の質問に対し
    ても、はぐらかして答えません。


<Q9> 白眞勲議員(民進党)
 答えてないですよ。もう一回聞きますよ。私が聞いているのは、高年俸職業人養成所なのですか、イエスかノーかですよ。

<A9> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 お答えいたします。
 獣医師としての職業人養成所で養成をするというふうなミッションを持っておりますけれども、高年俸ということについては、それぞれの職種によって異なりますので、一概には言えないと存じます。
 (注)獣医学部は高年俸職業人養成所なのか否か? まだ確答しません。「年棒の高低は獣医
    学部教育の関知しないところ」と答えれば済む話ですけど。


<Q9> 白眞勲議員(民進党)
 じゃ、このカタログ、間違っていますね。

<A9> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 先ほど大臣申し上げましたように、進学を希望する者に対して誤解を招かないような形での事実を伝えることが大事でございますので、その点については必要に応じて指導することについて考えていきたいと思います。
 (注)まちがっているか否か、の答えになっていません。

<Q10> 白眞勲議員(民進党)
 いや、だから、間違っているかどうかですよ。でたらめじゃないんですかということを聞いているんです、私は。

<A10①> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 再三の答弁で大変恐縮でございますけれども、事実に即した形で正確に記するということがベースでございますので、問題があれば適切な指導をしていくということでございます。

 ――※ここで委員会理事が委員長席へ。野次も入る。――

<委員長> 高階恵美子議員
 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

<委員長> 高階恵美子議員
 速記を起こしてください。

<A10②> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 高年俸かどうかにつきましては、それぞれの職種との比較の問題がございますので一概に言えませんけれども、ベースとしましては誤解を招かないような形での正確な記述が大事でございますので、大学に対しても必要に応じて求めていきたいと思っておるところでございます。

<Q11> 白眞勲議員(民進党)
 聞いたことに答えていないですよ、委員長。委員長、答えていないですよ。間違っているかどうかを聞いているだけじゃないですか。

<委員長> 高階恵美子議員
 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

<委員長> 高階恵美子議員
 速記を起こしてください。

<A11> 文部科学大臣・林芳正
 全体をしっかりと日本語に直してみた上で、今御指摘のところの記述につきまして不適当だと思われるようなことがあれば、しっかりと指導してまいりたいと思います。

<Q12> 白眞勲議員(民進党)
 是非、これ翻訳をちゃんとしてもらえればもう本当にどのぐらいずさんかということがどんどん出てくると思いますので、きちっと翻訳をしてもらいたいと思いますね。

 続きまして、7ページ御覧ください。この赤枠で囲われているところ。これ何て書いてあるかというと、2018年度岡山理科大学獣医学科願書を受付実施と書いてあるんですよ、びっくりマーク。日にちが2017年9月25日となっている、ここをクリックするの。これクリックしますと、お手元の8、9ページに飛ぶわけですよね。

 この9ページの真ん中辺りに、準備生選考日程と書いてあって、願書受付及び書類提出、9月26日より施行。それからまた、願書の受付のみならず、その下には、一段階、結果発表、願書受付後1週間以内、二段階、面接試験後1週間以内と書いてある。


 (注1)大学設置審による獣医学部設置認可答申日が11月9日、文科省によるこの答申発表
     が11月10日、文科大臣による設置認可発表が11月14日。11月14日以前の学生募集
     は違反行為です。
 (注2)2017年11月10日答申発表は金曜日。11・12は土日。13日月曜日、中一日を置いて
     の14日、文部科学大臣認可発表です。すなわち大学設置審答申発表の翌々日に正式
     認可が下りたという勘定になります。この処理速度は異例中の異例。
     役所の認可行為は担当セクションの長から事務次官まで数々の段階の承認印を取り
     付けていく稟議書が必要になります。この各段階の長が自席にじっとしているわけ
     ではないから、必要な承認印をそろえるのに日数がかかります。だから、これはた
     いへんなスピード処理です。


 つまり、願書の受付どころか試験もやっている。認可前に既に募集を掛けているのではありませんか。これ、認可前に願書の受付とか試験してもいいんですか。まず、文科大臣、お答えください。

<A12> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 韓国におけます学生募集に関しましては、加計学園に確認いたしましたけれども、岡山理科大学獣医学部による学生募集ではなく、加計学園韓国支社と学生募集活動等に関して提携しているセハン・アカデミーという協力校が留学前の準備教育として位置付けている、独自の教育プログラムの募集であると聞いています。
 なお、岡山理科大学獣医学部による留学生の選抜試験につきましては、設置認可前には行っていないと承知しております。

<Q13> 白眞勲議員(民進党)
 これ、業者がやっているんだと、加計学園知りませんよという言い方ですね。ところが、この6ページ目の、一番下の白いところに、021345313422と書いてありますよね。これは何かというと、お問合せの電話番号なんですよ。学校法人加計学園韓国支局。

それと、今の9ページ目のちょうど真ん中よりちょっと下に赤い字で電話番号書いてありますよね、345313422。同じじゃないですか、これ。その下に何と書いてあるか。「KAKE」というマークが付いているでしょう。学校法人加計学園韓国支局長チェ・グンテクさんと書いてあるんだよ、これ。

 つまり、これ学生募集は加計学園がやっているのと一緒なんですよ。向こうの業者がやっているから俺は知らねえというわけにいかないんですよ。これ、どうなんですか。

 (注1)セハン・アカデミー (SeHan Academy) というのは、韓国の大手受験予備校で、手
     広くやっているように思われます。ピンク字部分をクリックしていただくと、その
     ホームページが開きます。
 (注2)セハン・アカデミーが加計学園の依頼を受けて、岡山理大獣医学科の受験説明会を
     開いている画像がネットに残っています。そこには加計学園関係者もいるのです
     が、「獣医学科PR」なのか「獣医学科学生募集」なのか判然としません。


<A13> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 セハン・アカデミー自身が学生募集の活動に関しまして加計学園の韓国支局といわゆる協力関係を結んで行っているということでございますので、その意味においては、その内容につきまして、加計学園に対して番号をお聞きして、その内容についての問合せ先を記することについては特に不適切なものというふうには認識していないところでございます。

 (注1)日本国内に例を仮定すればわかりやすい。或る受験予備校が岡山理科大学獣医学科
     の説明会を開いた。そこには岡山理大の関係者が出張して説明した。受験に関する
     照会や印刷物・書類の入手、受験手続については岡山理大入試広報部へ。
      この仮定例で韓国説明会を想定すれば、セハン・アカデミーが校舎内で岡山理大
     獣医学科の説明会を開いた。岡山理大から関係者が出張して説明した。照会・書類
     入手・受験情報・受験手続について必要あるときは、加計学園韓国支局長のチェ・
     グンテク氏に電話してください、ということでしょう。
 (注2)もう一つ考えられることは、セハン・アカデミー内に加計学園韓国支局のデスクを
     置いて、チェ・グンテク支局長らが「学生募集及びPR活動」をしているのかもし
     れません。


<Q14> 白眞勲議員(民進党)
 これ、ちょっと違いますよ。6ページ目の下のこれ電話番号も今一緒だと言いましたよね。韓国のマスコミの報道でも、加計学園の韓国での説明会には日本から教授陣も来ている。加計学園の韓国の責任者も来ているんですよ。セハン・アカデミーという現地の業者の動画でも、千葉科学大学が、まあ名前は言わないけども、動画で日本語で話していらっしゃる。

 そのホームページの別のところにはこう書いてあるんです。加計学園韓国支局ソウル事務所はセハン・アカデミーだけです、一つですと。一緒ですと書いてあるんです。

 このような答弁、ちょっと問題ありますよ、これ。一緒ですよ、一緒になって募集しているんですよ。それも、加計学園だけじゃなくて、ほかの大学、岡山理科大学の獣医学部だけではなくて、加計学園のいろいろな学部を全部ここが募集しているんですよ。募集しているんじゃありませんか。どうなんですか、これ。

<A14> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 学園の方にも確認いたしましたけれども、加計学園の中の大学、あるいはそれ以外の大学についても契約を結んで学生募集に関する活動について協力するということについて、韓国の中での活動としては一般的に行われているものと聞いています。

 御指摘の韓国の学生募集に関しましては、岡山理科大学の獣医学部による学生募集ではなく、加計学園韓国支局と学生募集活動について提携しておりますセハン・アカデミーという協力校自身の中での留学前の準備教育、日本語教育等を行いますけれども、その準備教育と位置付けられている独自の教育プログラムでの募集と聞いているところでございます。


<Q15> 白眞勲議員(民進党)
じゃ、その、何、準備教育の募集だったらいいんですか。募集は駄目だけれども、準備教育だったら、そしてまた、自分はやらなくて誰か別の業者にやらせればいいんですか、文科省は。

<A15> 文部科学省高等教育局長・義本博司
 活動の形としては先ほど申し上げたところでございますので、岡山理科大学自身が募集を行っているところではございません。理科大学の獣医学部による留学生の選抜については、設置認可前に行われていないということについては確認しておりますけれども、あらかじめ定められた日程、方法に基づいて適切に行われることが大事でございます。

<Q16> 白眞勲議員(民進党)
文科省さんは、加計学園側の方に立って答弁しないでもらいたい。

――以下、省略――



結論は、加計学園の日程に合わせて獣医学部設置認可が下りている

2017年7月28日付日刊ゲンダイは、同年7月23日に行われた岡山理科大学オープンキャンパスのパンフレット写真を掲載しました。

そのパンフレットには、「2018年度入試のポイント[獣医学科、獣医保健看護学科] / 試験日自由選択制(11/18・19)」と書かれてあります。2018年度入試とは、2018年(H30年)4月入学者向けの入試のことです。

昨年7月の時点で、印刷物に「試験日自由選択制(11/18・19)」と書くことができる大胆さには呆れるばかりです。

大学設置審の認可答申が昨年11月9日、答申発表が11月10日。答申に基づく正式認可が11月14日で、林文部科学大臣が記者会見して発表しました。11月10日は金曜日。土日は役所が休みですから、13日月曜日の中一日を置いただけの11月14日文科大臣認可です。この異様な早さに注目します。

<Q12> で白眞勲議員が韓国での学生募集について資料を提示して、2018年度岡山理科大学獣医学科願書を9月25日から受付実施と書いてある、と指摘しています。

2017年(H29年)7月の時点で、「試験日自由選択制11/18・19日」記載パンフレットが存在しています。

文科大臣の獣医学部設置認可が下りたのは、2017年11月24日。加計学園の日程に文部科学省が合わせたということになります。



安倍内閣支持率26%(毎日世論調査)のさなかに加計学園は…

2017年(平成29年)1月20日に第193国会(通常国会)が召集され、同年6月18日に閉会しました。この国会では、組織犯罪処罰法改正案(別名:共謀罪、テロ等準備罪)、森友・加計学園問題、陸上自衛隊PKO日報問題などが話題の焦点になりました。

この193国会では、とりわけ加計学園問題では安倍首相、森友問題では安倍昭恵夫人への不信感が国民の間に高まりました。

共同通信社が2017年(H29年)7月15、16両日に実施した全国電話世論調査では、内閣支持率が35・8%に落ちこみ、不支持率が53・1%まで上がりました。

毎日新聞はその1週間後、2017年(H29年)7月22、23両日に全国世論調査を実施しました。内閣支持率が26%、不支持率が56%でした。

2017年(H29)年7月の二つの世論調査の結果は2012年12月安倍政権発足以来、最悪のものでした。そういう7月に、岡山理大獣医学部「試験日自由選択制(11/18・19日)」記載のオープンキャンパス・パンフレットが存在するという加計学園の大胆さを何と言えばいいのでしょうか。


虚偽宣伝と誇大宣伝は教育機関としての信頼度を落とす

前回に引き続いて、韓国における加計学園岡山理科大学獣医学部獣医学科学生募集説明会に関する国会質疑応答を読みました。

加計学園岡山理科大学は、獣医学部募集PRパンフに「ノーベル賞受賞学者を輩出した」と、虚偽と言っても差し支えないコピーを書きました。

またこの募集PRパンフには、獣医師は平均年棒700万円で、1000万円の年棒も期待できると書きました。しかしこれは誇大宣伝で、獣医師の実際の平均年収はこれよりかなり低いものということが、上の政府側答弁で判明しました。

こうしたことは、政商的な立ち回りで加計学園の教育事業を拡大してきた加計孝太郎理事長の事業性向を表すものであって、教育機関としての信頼度を落とすものです。



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