うーーーむ、私たちの歳はそろそろ身辺整理を始めた方がいいと言われているらしい。
要らないものを捨てる。これは本当に思い切りがいる。一つ一つに思い出と物語が宿っている。捨ててすっきりと行きたいところだけど、ものがなくなると自分が自分でなくなるような寄る辺なさを感じたりはしないのだろうか。
いやいや、自分らしさは自分の思い出の中にだけある。ものがないと思い出せないことなんて、初めから大したことないんだ、と言うこともできる。
ものひとつの所有の流れを考えると、買う手間と買うお金、家にあるときは使って便利なはずだけど、管理する手間もかかるし、捨てるときは捨てる手間。その前の葛藤、時には捨てるのにお金がかかることもある。
それ考えたら、どうでもいいものは買わないに限る。収納や断捨離の本が年末になると特に増えるのも、みんなものを持て余しているからだろう。
この本は老後の様々な整理と死の準備を書いた本だけど、ハウツー本ではなく、歴史上の人物の死に際なども取り込んだエッセィと思った。時には独断と偏見もあり。
例えば、最近の医師はいいところのお坊ちゃん、お嬢ちゃんなのできつい仕事をしたがらないとか、統計でも引いて言うなら納得するけど、あくまでも著者の印象から出た言葉。こういうのが随所にあり、ちょっと読みにくかった。
珍しく私にしては正価で紀伊国屋で買った本なのに。わざわざお金払ってまで買う本でもないのではと残念でした。
お口直しに、私の手持ちの、整理に関する写真各種。説明省略。