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「小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯」 古川智映子

2015-12-02 | 読書

 クリックで巨大に。文庫本です。


NHK朝の連続テレビ小説の原案本だそうです。350ページ近い本だけど、安かったので、買いました。

朝の連ドラ、なんか最近見るようになったのも年のせいでしょうか。8時までにゴミ出して、朝ごはん準備して(我が家は各自で。コーヒーのみ私が担当)、テレビ付けるて座ると、一日が規則正しく行くような気がして。

それに私の好きな着物が次から次へと見られる。さすがにいいものばかり、零落したお姉ちゃん一家の継ぎの当たった着物だって、別に生地傷んでなさそう。などとあれこれ思いながら、時には口に出して突っ込みつつ見るのが楽しい。

今朝は商家の襲名披露だそうで、男性に混じって主人公あさもその席に座る。その時の着物が姑から受け継いだ訪問着みたいなもの。あれれ???あの時代、訪問着ってあったのかな。大正時代、社交着として上半身にも柄のついた着物が考案されたと私は憶えてるんだけど。

この場合、着物が軽すぎ。もっと格の高い着物着てもらいたいもの。

何がいいかって?たぶん五つ紋の留袖に丸帯ですね。留袖っていっても今みたいに帯から下全体に柄のある派手なものではなく、ずっと地味で、喪服と兼用する場合もあったそうなので、明らかに今朝の着物は現代人の感覚だと思う。まあ、いいんですけど。

いやいや、あの時代、本当はどんなもの着てたかって、特に女性は、今となっては分かりにくいのかも。

着物の決まり事って時代によってものすごく変わっていくし、今、言われていることだって未来永劫続くものでもないし。


大同生命は大阪から生まれた保険会社、新選組に大金貸して焦げ付いた大阪商人が明治になって作った会社。

私の知っているのはそれだけだった。で、この本読んで、フィクションだけど、いろいろなことを知った。

広岡浅子の作ったのは大同生命、日本女子大学校(今の日本女子大)設立の資金の調達、その他炭鉱や紡績など多角経営をして財を成したらしい。

うーーーん、この辺りになるとあまり親しみは感じない。あまりに私と違い過ぎるので。

ドラマも炭鉱の場面になってからは時々見ない。資本家と労働者、共によくなりましょうって呼びかけても空々しくて白けてしまう。

阪急の芦屋駅からしばらく上がった所だったかに、ヴォーリーズ設計の洋館の豪邸があり、今は公開されている。ヴォーリーズも一族の人と結婚したいわば身内。

建物は10年くらい前に見学した。見晴らしのいい素敵な家だった。それが浅子の娘、亀子の家だったそうで。ほらね、ますます庶民とは縁遠い話。

実家は京都の三井家の一つ。三井って、土佐かどこかから出てきて財を成した家とばかり思っていたけど、あれは三菱でしたね。江戸時代からの大店、戊辰の役では官軍に軍資金用立て、新しい時代にうまく乗って行ったとか。

結論、人は生まれた家と生まれた時代からは自由になれない。しかし、それを生かすも殺すも本人次第。浅子は環境に恵まれていたけれど、奥様に納まるのではなく、よく頑張ったと思う。

でもね、いくらフィクションだと言え、嫁入り道具に振袖77領はビックリポンやわ。

結婚後も振袖着ていたんでしょうね。大家の奥様は。それが77枚。このレベルになると鎧とおんなじ数え方。女の押し出しは着物から。男の鎧とおんなじ。

最後の方で、市川房枝の名前も少し出てきます。その弟子が民主党の菅元首相、ずっといろんなことは繋がっているんですね。

あまり考えなくていいエンターティンメントなので、すぐ読めます。面白かったです。

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