■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 「予防フィットネス」分野のパイオニアが「総合事業」に挑む 9130
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■ 「予防フィットネス」分野のパイオニアが「総合事業」に挑む 9130
生産年齢人口の減少、福祉・医療費の増大など、高齢社会に入った日本が抱える課題はあまりにも多い。国民負担を最小限に留めながら解消する手段があるのかは、今後の議論を待たなければならないだろう。だが、高齢者が心身ともに元気に過ごすことができれば、かなりの課題は解消へと向かうことができる。その取り組みを始めたのが健康器具の開発販売とフィットネスジムの運営を手掛けるホグレル(東京都板橋区)だ。
同社は、アルペンスノーボードの選手だった向川是吉代表取締役社長が、自身のトレーニング体験を基に製品化した関節の可動域をコントロールする器具販売などを目的に2003年6月に設立した“健康請負企業”。アスリートとして世界を目指した向川社長だが、世界ランキングは41位まで。「欧米選手との体力差を痛感し、負けない身体を作るため必死に筋トレを続ける日々。その結果は逆効果でした」と当時を語る。筋肉量を増やすだけのトレーニングは、関節の稼働範囲を狭めてしまったからだ。
この経験から考案したのが、主に肩甲骨、股関節、骨盤周辺を一定の軌道で動かすマシン。これで可動域は広がる。アスリートだけでなく力を抜いた状態で行うのでリハビリや高齢者の健康維持など幅広い活用ができるのが特徴だ。身体をほぐして健康にするマシンであり、これを社名にしたという。現在、全国の整形外科などで採用され、直営ジムではサラリーマンの健康維持に貢献する。体力増強ではなく生涯動ける身体をつくる「予防フィットネス」事業といえる。
この器具と施設を活用することで、厚生労働省が推進する高齢者向け「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)への展開が可能だ。これは、介護保険法の一部改正で昨年4月から始まったサービス。介護認定を受けた高齢者の要支援者に対し、市町村が多様なサービスを充実させ提供することで、地域の支え合い体制づくりを推進することが目的。「改正法が施行された2年間前に検討を始め、今月から日本橋のジムで要介護者の受け入れを開始した」という。現在、65歳以上の要支援2までの高齢者が3時間、ホグレルの器具で機能回復訓練を行っている。
ジムがサラリーマンで混み始めるのは夕方以降。スペースに余裕がある時間帯に受け入れば高齢者へのサポートは可能だ。保健適用による一定の収入だけでなく「日常生活に支障がなくなるまで回復すれば、ジムの会員として通ってくれる」と、高齢者の健康回復、行政の負担軽減、ホグレルの売り上げ増と“三方良し”のビジネスモデルが確立する。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成