東京慈恵会医科大学などの研究チームが、腎臓を再生させることにラットで初めて成功したと発表しました。
これは胎児の体内で行われている臓器の発生プログラムを活用したもので、再生した腎臓は尿を生成するなど機能を完全に備えていました。
研究チームは、遺伝子改変したマウスの胎児を作成し、胎児の腎臓の「芽」にラットの腎臓になる前駆細胞を注入し、同じ遺伝情報を持った別のラットに芽ごと移植しました。その後特殊な薬をラットに投与すると、芽にもともと含まれていたマウスの前駆細胞は死滅しました。
このあたりの具体的なことはよく分かりませんが、マウス由来の細胞が無くなるのは、どんな薬の働きか興味があります。この移植した芽に周囲の組織から血管が入り込み、4週間後にはラットの細胞だけでできた腎臓が再生し、腎臓内で尿が作られることも確認できたとしています。
研究チームは、再生した尿管を使って尿を体外に排出させる技術をラットで開発しています。さらにヒトiPS細胞から腎臓の前駆細胞を作成する技術も完成させています。マウスの代わりにブタの胎児の腎臓の芽を使い、ラット代わりに腎不全患者のiPS細胞から作製した腎臓の前駆細胞をそれぞれ使えば、機能をすべて備えたヒトの腎臓を再生させることが可能になると期待されています。
研究チームは、再生した後は免疫抑制剤もいらなくなり、異種移植を利用した腎臓の再生医療実現に向け、ヒトでの研究を進めたいとしています。
国内では人工透析を受ける腎臓病患者は32万人を超え、医療費も年1兆円を上回っています。腎移植の希望がかなわない患者が多く、こういった腎臓再生に期待がかかっています。
一方ヒトへの臨床応用には安全性の確保に加え、倫理面の議論も必要です。具体的には動物が持つ病気が映らないか、動物の細胞が残らないかなどの慎重な検討が必要です。
またヒトの臓器の再生に動物を利用することへの抵抗感も根強いようですが、今回の研究はあくまで動物の胎児の臓器の発生部分のみを使っているのであり、実際の腎臓を作るのはヒトでありあまり問題にならないような気もします。
しかし今回の実験の成果をヒトに応用するには非常に時間がかかりそうな気もします。ラットで腎臓が再生するのに4週間もかかっているのでは、ヒトの場合はどの程度の時間になるのか、その間のケアはどうするのかなど多くの課題が残っていそうな気がします。
それでもこういった胎児の臓器の「芽」(これが何かはよくわかりませんが)を利用することで、うまく臓器が育ってくるのであれば、再生医療の具体化の一歩と言えるような気もします。
これは胎児の体内で行われている臓器の発生プログラムを活用したもので、再生した腎臓は尿を生成するなど機能を完全に備えていました。
研究チームは、遺伝子改変したマウスの胎児を作成し、胎児の腎臓の「芽」にラットの腎臓になる前駆細胞を注入し、同じ遺伝情報を持った別のラットに芽ごと移植しました。その後特殊な薬をラットに投与すると、芽にもともと含まれていたマウスの前駆細胞は死滅しました。
このあたりの具体的なことはよく分かりませんが、マウス由来の細胞が無くなるのは、どんな薬の働きか興味があります。この移植した芽に周囲の組織から血管が入り込み、4週間後にはラットの細胞だけでできた腎臓が再生し、腎臓内で尿が作られることも確認できたとしています。
研究チームは、再生した尿管を使って尿を体外に排出させる技術をラットで開発しています。さらにヒトiPS細胞から腎臓の前駆細胞を作成する技術も完成させています。マウスの代わりにブタの胎児の腎臓の芽を使い、ラット代わりに腎不全患者のiPS細胞から作製した腎臓の前駆細胞をそれぞれ使えば、機能をすべて備えたヒトの腎臓を再生させることが可能になると期待されています。
研究チームは、再生した後は免疫抑制剤もいらなくなり、異種移植を利用した腎臓の再生医療実現に向け、ヒトでの研究を進めたいとしています。
国内では人工透析を受ける腎臓病患者は32万人を超え、医療費も年1兆円を上回っています。腎移植の希望がかなわない患者が多く、こういった腎臓再生に期待がかかっています。
一方ヒトへの臨床応用には安全性の確保に加え、倫理面の議論も必要です。具体的には動物が持つ病気が映らないか、動物の細胞が残らないかなどの慎重な検討が必要です。
またヒトの臓器の再生に動物を利用することへの抵抗感も根強いようですが、今回の研究はあくまで動物の胎児の臓器の発生部分のみを使っているのであり、実際の腎臓を作るのはヒトでありあまり問題にならないような気もします。
しかし今回の実験の成果をヒトに応用するには非常に時間がかかりそうな気もします。ラットで腎臓が再生するのに4週間もかかっているのでは、ヒトの場合はどの程度の時間になるのか、その間のケアはどうするのかなど多くの課題が残っていそうな気がします。
それでもこういった胎児の臓器の「芽」(これが何かはよくわかりませんが)を利用することで、うまく臓器が育ってくるのであれば、再生医療の具体化の一歩と言えるような気もします。