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あまり知られていない効用の鉄分の摂りすぎに注意

2023-01-13 12:08:30 | その他
鉄分は非常に身近な栄養素で、よく不足すると貧血などの症状が出るといわれています。

ところが最近国立ガン研究センターから、鉄分を取りすぎる人は肝臓ガンのリスクが上昇するという研究結果が報告されました。

鉄は身体の健康維持に必要な必須微量元素ですが、主に3つの働きがあります。1つ目はヘモグロビンの一部となって酸素を運ぶ働きで、2つ目がミオグロビンという物質に変化して筋肉中に存在し、酸素が不足した場合に備えて酸素を蓄えるものです。

最後がシトクロムという酵素の一部となってステロイドホルモンや男性ホルモン、女性ホルモン、脂肪を分解する胆汁酸を作ったり、肝臓での解毒作用などに関わる働きです。この様な鉄が不足すると身体が酸欠状態となり、貧血や立ちくらみ、頭痛だるさといった症状が表れます。

脳に十分な酸素が行きわたらないことで、思考能力や記憶能力などの低下がみられることもあります。鉄にはヘム鉄、非ヘム鉄、キレート鉄の3種類があり、医療機関で鉄剤として処方されるのは非ヘム鉄です。

非ヘム鉄は活性酸素を発生させる性質もあるため、服用すると胃痛や吐き気が出ることがあり、医師は抗酸化作用のあるビタミンCも一緒に処方するようです。

ヘム鉄は血液中に含まれているヘモグロビンと同じ形をしたタンパク質に包まれた鉄で、市販のサプリメントにも多く使用されています。ヘム鉄と非ヘム鉄は非常に吸収率が低いのですが、もうひとつのキレート鉄は腸での吸収経路が別で、粘膜を通して腸から吸収され過剰摂取が起こりやすくなります。

キレート鉄のサプリメントも多く売られているため、購入時の注意が必要になってきます。腸であふれた鉄は腸粘膜にこびりついて腸の粘膜細胞の働きを妨げます。

さらに肝臓や膵臓、心臓、脳下垂体などに沈着すると、それらの臓器が十分に機能できなくなり肝臓ガンなどの病気のリスクが高まります。鉄の過剰摂取の原因となるキレート鉄は、緊急性がない限り取らない方が良いとされているようです。

人間の身体は炭素、酸素、窒素、水素が96%を占め、残りの4%が鉄をはじめとするミネラルで構成されています。身体の生命活動はこれらの要素による化学反応で、中でも4%のミネラルの働きは重要となっています。

鉄不足で起きる症状としては、貧血、立ちくらみ、頭痛、肩こり、シミができやすい、爪が反り返るなどちょっとした疲れのような症状がほとんどです。

ただし通常の食事をしている限りは鉄不足となることはほとんどないようですので、サプリメントなどで補う必要性は少ないようです。

どんな鉄の摂取をすると肝臓ガンのリスクが上がるのかは分かりませんが、あまり気にする必要はないような気がします。


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