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安全な水道水の基準値の根拠とは

2021-10-23 10:25:04 | その他
水は生活をしていくうえでなくてはならないもののひとつですが、日本ほど水道水がきれいな国はないという話をよく聞きます。

先進国ならばほとんどの国では水道水を飲んでも問題ないとされています。それでも日本のある統計では、日本人の6割が「世界で最もおいし水が飲める国は日本」と回答しています。

それでも家庭で水道水をそのまま飲んでいる人は、全体の25%しかいないようです。ある統計では浄水器を通してから飲む人は24%、水道水や浄水器を通した水を沸かして飲む人は17%、ボトル水、スーパーの持ち帰り用の水、ウォーターサーバーの水を飲む人が33%となっています。

私の家では水道の出口に小さな浄水器を付けていますが、あまり効果があるとも思えませんがこれを飲んでいますので、浄水器を通してから飲んでいる部類に入るのかもしれません。

さてこの水道水の水質基準は、1958年に施行されて以来たびたび更新されています。特に1992年に20項目が追加されて以降の更新頻度は顕著で、毎年という程ではないようですが、高い更新頻度で安全性が保たれているようです。

また基準値には根拠が不明確なものが多いのですが、水道水の基準値は2003年の改正に伴って根拠も示され、ネット上で読むことができるようになっています。水道水質基準は2014年に51項目が定められており、それとは別に塩素による消毒も水道法で義務付けられています。

ここでは例として「銅」の基準値の決め方について書いてみます。銅は鉱山排水や工業排水に含まれるだけでなく、給水装置にも銅管が使われていることからしばしば水道水に溶け込みます。

また銅はヒトにとっても必須元素であり、食品や栄養サプリなどから意識的に摂取されることもあります。2003年の基準値改正では、銅の摂取量が一日10mgまでなら健常な成人にとって有害な健康影響は見られないとされました。

そこで一日2〜3リットルの水道水を飲み、食品や栄養サプリから銅を接種しても、10mgに到達しないような濃度として、2mg/リットル以下という基準が定められました。

ところが洗濯において銅濃度が1mg/リットルを超えると、洗濯物に着色が生じることが分かりました。このように安全性の観点(毒性評価)からは2mg/リットルという値が、性状の観点(洗濯物の着色)からは1mg/リットルという値が示され、最終的には1mg/リットルが基準値として採用されました。

水道水の基準値は安全性から決められると思っていましたが、洗濯物の着色などからそれより低い値に設定されるというのは面白い結果です。

この様に水道の基準値は安全性だけではなく、生活のあらゆる面から検討されているということは、やはり日本の水道水は非常に安全性が高いといえるような気がします。


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