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「痛風」はなぜ痛いのかその実態と最新事情

2023-03-22 10:36:47 | 健康・医療
風が吹いても痛いといわれる「痛風」ですが、尿酸が蓄積すると発症するといわれています。

私は実験に使う試薬として尿酸を扱ったことがありますが、本当に小さな針のような鋭い結晶で、これが神経に刺されば本当に痛そうだと感じていました。私は尿酸値は基準値の上限付近であり、若干心配していますがまだ発症には至っていません。

高尿酸血症になると尿酸は結晶になり、血流に乗って全身をめぐり足の指の関節などに徐々に蓄積しますが、この時点では痛みは出ないようです。

飲食物の影響や運動時などの足への刺激がきっかけで結晶が剥がれ落ちると、白血球がそれを異物とみなして攻撃するため炎症物質が出て、激痛が起きるとされています。近年高尿酸血症の患者は増え続け、さらに若年化も進んでいます。

日本生活習慣病予防協会などの調査では、高尿酸血症の患者は1000万人を超え、30〜40代男性の3割に上ると推計されています。痛風患者は125万人で、49歳以下が30万人近くになるようです。

食生活の欧米化や高カロリー摂取、運動不足などによるメタボリック症候群が若い人にも影響を及ぼしているからと考えられています。尿酸値を上げる要因の一つとして「プリン体」が知られているため、これを多く含む酒や食べ物に気を付けている人もいます。

しかしアルコール自体に尿酸値を上げる働きがあり、プリン体ゼロの酒でも尿酸は作られます。日ごろ食べている一般的な食品の大半がプリン体を含んでいるため、食べ過ぎればプリン体の総摂取量は多くなってしまうようです。

痛風の恐ろしいのは「痛み」だけではなく、繰り返していると関節そのものが変形していきます。もっとも大きな問題は腎臓の機能低下や、痛風後に心血管疾患のリスクが高くなるともいわれています。

高尿酸血症は高血圧や糖尿病、脂質異常症などと同じ「生活習慣病」で、命に関わる病気の引き金となります。治療は生活改善と薬物療法が基本となります。薬による治療が検討されるのは尿酸値が8.0ミリ以上で、一定期間6.0ミリ以下を維持するのが目標となります。

痛風発作が起きたときの対処法としては、1)安静にして患部をマッサージしたり押したりしない、2)横になるときは患部を心臓より高くする、3)患部を冷やし、入浴するときはシャワー程度で済ます、4)一時しのぎとして鎮痛剤を服用しても良い、というところのようです。

これらで様子を見て、歩ける程度まで痛みが弱くなったタイミングで病院に行くとしています。現在はよく効く薬が出ていますので、尿酸値に留意し、高くなってきたら痛みが出る前に受診するのが良いのかもしれません。


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