ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

嗅覚の謎を細胞レベルで解明

2020-07-25 09:45:20 | 自然
九州大学などの研究チームは、複数の臭いが混じりあうことで感じ方が強まったり弱まったりする嗅覚の特性を、マウスを使った研究で解明したと発表しました。

肉や魚の臭みがハーブで弱まるなど、経験的に知られていた現象を細胞レベルで明らかにできたことから、香料の効率的な調合などに生かせる成果としています。

嗅覚は鼻の奥にある神経細胞が様々な臭い物質を感知して、脳に伝達しています。複数の臭い物質をかいた際は、それぞれの成分の足し算として認識されるという定説がありました。

実際には臭い靴下のようなイソ吉草酸とバニラの香りのバニリンを合わせるとチョコレートの香りに感じるなど、説明できない事例も知られていました。

研究チームは、この仕組みを解明しようと神経細胞が光るようマウスの遺伝子を操作し、バナナの香りの成分などを嗅がせた際の神経の働きを顕微鏡で調べました。すると臭い物質の感知で「活性化」して光が強まる細胞だけでなく、光が弱まって神経の働きが「抑制化」される細胞があることを世界で初めて発見しました。

さらに複数のにおいを混ぜて嗅がせた実験では、それぞれを単独で嗅がせるよりもはるかに反応が高まって細胞が光る「相乗効果」のケースのほか、単独で嗅がせるよりも反応が弱まって細胞の光も弱まる「拮抗作用」がみられるケースもありました。

臭いの足し算や引き算が複雑に起き、香りの調和を感じる原因と考えられるとしています。靴下の例では、靴下の臭さを拮抗作用で抑制し、チョコの香りを相乗効果で感じるなど両方が影響している可能性があるようです。

かなり昔の話ですが、嗅覚受容体の立体構造を解明するということが注目されていました。嗅覚受容体は色々な化学物質の受け皿ですが、多種類存在するのか、ひとつの受け皿で色々な化学物質を認識するのかなども分かっていませんでした。

これにはかなり多くの研究グループが挑戦しましたが、未だに成功しておらず、嗅覚受容体というタンパク質が予想以上に難しいということが分かったのみでした。

九州大学のチームは、嗅覚受容体の後ろのステップである神経細胞からの研究ですが、人間とマウスの嗅覚の仕組みが似ており、今後はわずかな量で香水の香りを変えられる調合などを科学的に探索しやすくなることが期待できるとしています。

研究チームは、今回は基礎的な発見だが、食品の臭みを抑えるなど応用に向けた新しいアプローチになると考えられる、と話しています。

私はこの香りに興味があり、いろいろと調べたりしましたがまたどこかで書いてみるつもりです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿