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日本のガン検診率が先進国最低

2020-02-29 10:23:49 | 健康・医療
生涯のうちに男性の62%、女性の47%が罹患するガンは、早期に発見できれば治る病気にもなっています。

それでも自覚症状が出てから病院に来るため、多くは進行ガンになってしまっていることがあるようです。日本では1年に100万人の人がガンにかかり、そのうち37万人の人が亡くなっています。

しかしガンはかかったら死を覚悟する病気ではなくなり、3人に2人は助かる病気となっています。国立ガンセンターの2019年のデータでは、日本の5年生存率は66.4%に達しています。

日本人は先進国の中でもガン検診を受ける人の割合が最も低い国です。ガン対策基本法ができた2006年の時点では、どのガンの検診率も軒並み20〜30%台でした。それから十数年かけて、国を挙げての啓発活動をして、ようやく40%程度まで上がってきました。

ガン検診の啓発活動は今も盛んに行われていますが、健診率は40%を超えたところで止まっており、これは80%あるアメリカの半分となっています。検診で見つかるガンは早期ガンが多く、その段階で治療すれば95%が治癒します。

これが分かっていながら、日本ではいまだに自覚症状が出てから来る人が50%を占めているようです。2016年にガン検診を受けない理由を国が調べた国民調査があります。受けない理由は「時間がない」が50%、「経済的負担」が40%、「ガンが見つかるのが怖い」40%、「必要を感じない」が30%でした。

これを見ると、日本人は予防的な行動が苦手な国民なのかもしれません。「ヘルスリテラシー」という言葉があります。

公衆衛生学から確立された概念で、病気や症状がある時どう医療を利用するか、予防接種や検診受診その他の疾病を予防するための行動、健康の維持・増進という三つの領域について健康情報を、入手・理解し、適切に評価して活用できる能力を指します。

これを測定できる質問票も作られており、実際の行動もこの質問票の点数によく相関するようです。国際比較も行われており、日本人のヘルスリテラシーは、調べられる限りで世界最低となっています。

これが低いという事は、巷に流れる健康情報の是非を自分で判断できないという事です。世界価値観調査という調査でも、日本人の73%はテレビや新聞の報道内容を信じる、ほぼ信じると答えたようです。

テレビで放送されたものが、翌日にはスーパーの棚からその商品が消えることになるわけです。その他医療費が諸外国に比べて安いことも、ガン検診率の低下につながっているようです。

このように検診が必要な若い人は受けず、あまり必要のない高齢者が受診するというのが日本の実情かもしれません。


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