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日本人の平均寿命が10年ぶりに男女ともに短く

2022-08-09 10:29:06 | 健康・医療
日本は自他ともに認める長寿大国で年々平均寿命も延びていますが、私の感じでは我々団塊の世代がいなくなる10年後ぐらいで延びは止まると思っています。

ところが最近発表された2021年の日本の平均寿命は女性87.57歳、男性は81.47歳でいずれも過去最高だった前年を下回りました。平均寿命が短くなるのは、東日本大震災が起きた2011年以来10年ぶりの珍しいことです。

前年に比べて女性は0.14歳、男性は0.09歳とわずかながら短くなっています。交通事故やガン、肺炎などの死亡率が減少した一方、新型コロナウイルスによる死者の増加などが寿命を縮めたとしています。

コロナ関連の死者数は1万6771人で前年の3466人の約4.8倍となり、この影響で女性は0.07歳分、男性は0.1歳分平均寿命が縮まったと説明しています。しかし私はこの説明に納得できません。

ひとつにはコロナによる死者数の数え方は、たとえ老衰で死んだとしてもコロナ陽性であればコロナによる死者とカウントしています。またコロナ死者の平均年齢は正確ではありませんが80歳近くとなっており、平均寿命に影響するような年齢ではありません。

また2021年の死者数は、145万人となっており前年比で6万7000人増加しています。この増加数はコロナによる死者数をはるかに上回っており、なぜ増加したかの解析が必要な数です。

実際にコロナが問題となった2020年では死者数は138万人で、前年より約1万人減少しており、死者数におけるコロナ死者はほとんど影響を与えていないと考えられます。

2021年の死亡者数増加についての厚生労働省の短いコメントでは、老衰が1万5000人増加し誤嚥性肺炎も5000人以上増加したことなどが要因としていますが、「高齢化が背景とみられる」で終わっています。

確かに高齢化で死亡者数の増加は説明できるかもしれませんが、平均寿命が短くなったこと(ごく僅かですが)とは結び付きません。平均寿命近くの高齢者がなくなっても、平均寿命にはほとんど影響が出ないためです。

今回の平均寿命について厚生労働省の担当者は「寿命の延びが止まったわけではなく、大きなトレンドが反転したとは考えていない」として、あくまでコロナ関連の死亡による一時的な状況とみているようです。

この判断が正しいかどうかは今後の推移を見ないと分からないものですし、私もなぜ伸び続けてきたものが短縮してしまったのかを説明することはできません。

医療の進歩とともに伸び続けていた平均寿命が、わずかとはいえ短縮してしまったのは寿命が延びるという状況が変わってきたのか、単純にコロナ感染で片づけられる問題ではないような気がします。結局はコロナ死者も減少している今年度がどうなるのかを注視すべきところかもしれません。


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