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ガンの「最高の治療法」とは

2020-06-23 11:02:53 | 健康・医療
1981年以降、約40年にわたり日本人の死因の第1位の君臨し続けるのがガン(悪性新生物)です。

遺伝子変異の積み重ねで起こるガンは、高齢化が進む日本では今後増加が避けられない疾患でもあります。

2014年時点での全国の年齢別のガンに罹った人の報告である「全国ガン罹患モニタリング集計」と、厚生労働省の人口動態統計からわかる「全死因死亡率」などの数学的モデルから、日本人が生涯でガンに罹る確率は男性が62%、女性が47%と計算されています。

よくいわれる「2人に1人がガンになる」は、この数字のことを表しています。現在もガン治療は日進月歩の進化を遂げていますが、ガン治療の話題になると「不必要な手術」、「抗ガン剤は寿命を縮める」というネガティブな情報が一部では蔓延し、あやふやな民間療法に多額の金を出す人もいます。

一般に病院で行われるガン治療は、そのほとんどが現在の科学の最先端の研究の結果生み出されています。この過程を知ることが、ガンに罹った人などにとって安心して治療を受け、あやしげな「治療もどき」に騙されないための一里塚といえます。

ガンではX線撮影、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)で撮影された画像や、患者の体内から採取された細胞や組織の病理検査、血液検査などの結果を総合して診断が確定します。

この時ガンの大きさや位置、リンパ節や他の臓器への転移の有無を診断し、ガンの進行程度を見極めてから治療を開始することになります。

かつては医師が学んできたことをベースに、その後の個人の学習や経験則などを合わせて各病院の治療を行っていました。近年では「科学的根拠に基づく医療(EBM)」という考え方が重視されています。

この考え方が浸透してきた結果、現在ではほとんどの病気に関して専門医などが集まる医学系学会がEBMの考えに基づき、どのような治療を行うかを具体的に記述した「診療(治療)ガイドライン」を作成し、それも治療の進歩に応じて改定されています。

実際ガンに関するガイドラインの中身を見ると、例えば手術ならば進行度分類でいう比較的早期のステージ1~2までとか、手術後でも再発の可能性が高いのはどんな病状の場合か、そのような場合は抗ガン剤治療や放射線治療をどのように行うか、またその種類も具体的に記載されています。

つまり現在の医療では、医師個人の裁量権は極めて限定的で、ガン診療の専門病院ほど病院間での治療格差は少ないといえます。

突き詰めると優れた医師の出番がないとも言えますが、現在は専門病院に行きさえすれば、最先端の医療が受けられる体制ができているともいえるようです。


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