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「脂肪肝」の最新検査による早期発見

2020-06-13 10:31:53 | 健康・医療
アルコールをあまり飲まなくても、生活習慣病や肥満などによって発症する非アルコール性脂肪肝は、国内で推定1千万人に達し「21世紀の国民病」ともいわれています。

この検査は従来肝臓に針を刺す検査が主流だったためハードルが高いものでしたが、体への負担が少ない方法が開発されています。

肝臓疾患の主な原因はB型・C型ウイルスによるウイルス性肝炎や、酒の過剰摂取によるアルコール性肝炎とされてきました。近年運動不足や栄養過多など生活習慣と関連がある、非アルコール性脂肪肝が新たな疾患として提唱され注目されています。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、状態が悪化しても自覚症状がほとんどありません。以前は肝臓に針を刺して細胞を取り出して調べる「生体検査」しか方法がなかったため、痛みや出血を伴うなど患者の負担が大きく、早期診断の妨げとなっていました。

こうした問題を解決するために2000年代に入って登場したのが、「フィブロスキャン」と「MRエラストグラフィ」という2種類の画像検査です。いずれも肝臓の硬さ(線維化の状態)と脂肪量を測ることで肝硬変への進行度を短時間で調べることができます。

フィブロスキャンはエコー検査などと同様に、肌の上に当てた小型測定器から肝臓に向けて超音波を出して肝臓の硬さを測定します。

もう一方のMRエラストグラフィは核磁気共鳴画像(MRI)を使用し、腹部を振動させて振動派の伝わる速度の違いを利用して肝臓の硬さを分析します。血液検査によって肝臓の線維化を調べる手法も開発されました。

肝機能を示すAST(GOT)、ALT(GPT)と血小板数などを使って計算する「FIB-4インデックス」は線維化の状態を簡単に把握できるため、専門医でなくても使える利点があります。

さらに画像検査と血液検査の結果を組み合わせた「FASTスコア」を使って、治療が必要な患者を絞り込む取り組みもあります。

筑波大学病院はフィブロスキャン検査の肝硬度測定値、肝脂肪量の測定値、血液検査のAST値の3つの結果を使って計算するスコアが一定の数値を超えると、進行した患者と判定しています。

この様に検出される非アルコール性脂肪肝は、約80%が良性で基本的には進行しませんが、残りの20%は肝硬変や肝臓ガンに進行する恐れがあり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼んでいます。

現在は肝臓病治療のメインテーマはウイルス性肝炎から、生活習慣病ともいえる非アルコール性脂肪肝炎に移っているようです。


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