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新型コロナ感染拡大と温度湿度の影響

2020-06-14 10:30:04 | 時事
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は世界的にピークを越えつつあるようです。

このウイルスが気温や湿度、季節の影響を受けるかといった研究が進んでいます。日本や台湾、ニュージーランドなどを含む東アジア、太平洋諸国はすでに収束に向かっています。

アフリカ諸国で感染拡大がはっきりしていませんが、少しずつ感染が治まっているように見えるのは、各国の感染対策が奏功したからかもしれません。ただ1日あたりの新たな感染者が1000人以上で死者が100人以上の国はまだ多くなっています。

感染が増加または減少しているのには地理的な要因があるような気もします。こうした観点から、パンデミックを引き起こすウイルスの気温や湿度の関係を調べた研究は多く報告されています。

新型コロナに近いとされるSARSが発生したのは中国広東省で2002年11月であり、新型コロナは2019年12月といずれも寒い時期であり、乾燥した環境にあります。またインフルエンザも寒冷で乾燥した環境で増殖することがよく知られています。

中国の122都市の気温を今年の1月23日から2月29日まで調べた研究によれば、3℃までの気温では気温が上がると感染者も増えることが観察されました。

しかし観察が冬季に限定していたこともあり、気温がそれ以上に上昇した場合、感染者数にどんな関係が生じるか分からないとしています。

上海の復旦大学の研究グループが、全国224都市の気温と湿度を調べたところ、新型コロナ感染症の感染との関係は見られず、日照時間が長くなることによる紫外線量の増加とも関係しなかったという結果を出しています。

この研究グループは、暖かい季節になっても新型コロナの感染が収束するとは限らないと警告しています。別の中国の研究では、武漢を含む湖北省で、気温と湿度の上昇と新型コロナ感染症の症例数に逆相関、つまり気温や湿度が上がると感染者数が減少することが観察されています。

湖北省の場合、湿度が67%程度の時に温度が1℃上がるごとに1日あたりの感染者が36%から57%減ったとしています。また温度が5℃から8.2℃の時に、湿度が1%上がるごとに感染者が1%から22%減ったと報告しています。

米国ハーバード公衆衛生大学院は、感染拡大とその対策を季節や気温・湿度、免疫獲得など多角的に分析しています。

この論文によれば、新型コロナは季節を問わず増殖できる可能性があり、夏に感染が収まっても冬季に再発した際にはより大きな感染爆発を引き起こす可能性があると警告しています。

これから夏に向かえばより詳しい解析ができるかもしれませんが、私は温度が上がれば感染が収束するという気がするというより、そうであることを期待しています。


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