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生命科学の進展で効果的なダイエットは実現できるか

2022-05-29 10:26:10 | 健康・医療
最近オートファジーという言葉をよく目にしますが、私も興味を持っておりオートファジーに関する話題をこのブログでもいくつか紹介しています。

この中に「オートファジーダイエット」という方法が出ていました。私の周りは息子家族たちも含めて全員細身ですので、多分遺伝的に太らない体質のようで、あまりダイエットには関心がありませんでした。

オートファジーダイエットとは、16時間空腹にすることで細胞のオートファジーの機能を使うという、ダイエットとアンチエイジングが両立できるという方法のようです。

オートファジーは細胞が自分の一部を分解する作用(自食作用)のことで、飢餓状態になると生き延びるために活発になることが知られています。

ただし生命科学の専門家によると、確かに飢餓状態になるとオートファジーの機能が働くというデータは出ていますが、人間や身体の細胞の仕組みは複雑です。

オートファジーが働くメカニズムもさまざまな要因が絡み合っていて、16時間の空腹がダイエットになるとかアンチエイジングになるといったことは科学的にはいえないようです。

いろいろやってみてもなかなか体重が減らない原因は、生物の体には身体の状態を常に一定に保とうとする仕組みがあります。これをホメオスタシス(恒常性維持)といい、体温や血圧が一定の値を示すのもこれによるもので、私も興味を持っている機構です。

この考えに基づけば、成人の体重も簡単に増えたり減ったりしないはずです。体重はエネルギー摂取と消費の収支バランスの指標といえます。生きるためにはエネルギーが必要であり、食べることによってエネルギーを得ています。

これからいえることはエネルギー消費が摂取より大きければ体重が減り、摂取が消費より多ければ体重が増えることになります。しかし生体は一番良い収支バランスを覚えているので、収支バランスを維持するようにエネルギー調節機構が働き、簡単には体重が減らないことになります。

この機構が働く理由は、生体は体重の減少をエネルギーの摂取が足りない状態、つまり飢餓状態の恐れがあると生体はみなすからです。人類を含めて生物は絶えず飢餓の危険にさらされて進化してきました。

現在も進化の過程にあり、余分なエネルギーを脂肪として蓄える仕組みは続いているのです。従って生命科学が進歩してきても、ヒトの生存に関わるダイエットの方法は玉石混交といえます。

肥満の原因の60%が遺伝的体質であるとされていますので、ほとんどの場合は肥満であることは健康であるといえるのです。

痩せている私がいっても説得力はないのですが、たとえ科学的なダイエット法であったとしても、体重減少は健康には悪いような気がします。


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