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糖質制限論争に結論か?

2017-10-23 10:44:07 | その他
糖質制限ダイエットということが注目されてから、この方法の可否についても色々論争が起きているようです。

私自身はダイエットの必要は全くありませんし、脳の栄養源がブドウ糖であることを考えると、極端な糖質制限はあまり良くないのではという感じを持っていました。

この糖質制限の影響について最近カナダのマックマスター大学の研究グループが、大規模な疫学研究の結果を発表しました。この研究は5大陸18か国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究というものです。

これは2003年1月時点で35~70歳の13万5335例を登録し、2013年3月まで追跡調査をするという大規模なものでした。これまでの研究データのほとんどが、栄養過剰の傾向にある欧米の物であったのに比べ、低所得から高所得層を網羅しており、その点でも信頼性の高い研究と言えるようです。

論文の細かい点はよく分かりませんが、以下の様に要旨をまとめています。まず炭水化物摂取量の多さは、全死亡リスク上昇と関連している、次に総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連している、総脂質および脂質の種類は、心血管疾患、心筋梗塞と関連していない、最後に飽和脂肪酸は脳卒中と逆相関しているというものです。

あまり分かりやすい要旨ではありませんが、簡単に言えば炭水化物を摂るほど死亡リスクが高くなる一方で、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクは低下し、特に飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中のリスクは低くなるということのようです。

ここではタンパク質の摂取については触れていませんが、死亡リスクなどへの関連がなかったということかもしれません。

研究グループは、今回の結果を踏まえ世界的な食事ガイドラインを再検討すべきであると提言しています。例えば日本の医療現場などで指導されるカロリー制限食では、6割ぐらいの糖質量になっているため、糖尿病に限らず生死にかかわる健康リスクが増大しているとしています。

この発表を受けて糖質制限派は、日本でも食事の質を考え直すべきとしていますが、基本的な和食は糖質を主食としており、これを変えるのは難しいような気がします。

食糧生産はいわば歴史的な変遷をたどりながら、最も効率の良い形として現在のシステムが出来上がっているのであり、糖質が病気のリスクを高めるからと言ってそう簡単に変えられるものではありません。

私はかなり糖質主体の食事を摂っていますが、これを気に入っているのであり、少々リスクが高まるといってもあまり変えようという気にはなりません。まあこんな結果もあるということを記憶にとどめるといったところかもしれません。

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