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なぜ上司には嫌な人が多くなるのか

2021-06-19 10:26:04 | 時事
このところ科学関連のニュースはコロナ一色で、相変わらず変異株のはなしやワクチンの安全性などで占められています。

ちょっと毛色の変わったところで、7割近くの人が職場の上司は嫌な人が多いという調査結果が出ていました。

ある企業の「職場の上司」についての調査によれば、職場に嫌いな上司がいると回答した人は500人中366人と、全体の7割以上にも上っています。また上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがある日は65%で、嫌な上司の存在は働く人にとって相当のストレスのようです。

私の職場は何回も書いていますように研究所というかなり特殊な職場でしたので、こういった嫌な上司という問題を感じたことはありませんでした。

嫌な上司の特徴は、相手によって態度変える上司、部下に仕事を押し付ける上司、高圧的で偉そうな態度の上司となっています。しかし職場で他の同僚や先輩が皆嫌な人かというと、通常そんな人はおらず良い人間関係ができているはずです。

では会社ではほとんどいない嫌な人が出世するのかというとそんなはずもありません。実際は嫌な人が上司になるのではなく、上司になるとい嫌な人になる傾向があることが、経営学や心理学の研究で判明しています。

カリフォルニア大学でクッキーモンスターという有名な実験が行われました。研究所を訪れた人に3人1組になってもらい、その中の一人をリーダー役に任命し、グループで文書を作成する課題を与えます。

作業が開始してから30分が経ったところで、焼き立てのクッキーをグループに出しますが、皿の上には4枚のクッキーが乗っており1枚が余ることになります。誰かが2枚目を食べてしまうことは、その他の人のチャンスを奪うことを意味します。

予想通り最後のクッキーに手を出したのは、必ずと言ってよいほどリ-ダー役に任命された人でした。単に食べるだけでなく、モンスターのようにむさぼったという結果が出ています。

その他の実験から上級職に就いたばかりの人は、特に美徳を失いやすいことが分かっているようです。まさしく権力は腐敗し、権力者は堕落するといえそうです。

テンプル大学のグループは、強い権力を与えることの危険性を実験によって明らかにしています。被験者に上司と部下の役割を与え、些細な権力しか持たない上司グループと、強い権力を持つ上司のグループに分けて部下の成績を向上させる実験を行いました。

些細な権力しか持たない上司は話し合いによって仕事を進めたのに対し、強い権力を持つ上司は批判的かつ高圧的な態度で部下に接しました。

この辺りは日本では若干違うような気もしますが、権力を持つことによって嫌な人になってしまうというのは、一般的な傾向のようです。


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