ごっとさんのブログ

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コウモリはウイルスの貯水池

2020-03-05 10:29:33 | 自然
また新型コロナウイルスの話ですが、このウイルスはどうもコウモリが発生源のようです。

これから詳しい研究が行わるのでしょうが、今回の新型コロナもSARSと同じように人獣共通感染症とみられています。人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占め、世界で毎年10億人が病気になり、数百万人が死亡する病気です。

人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などを経由し、ヒトへ感染して広がっていきます。

ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭阻症、ネズミからペスト、イヌから狂犬病といった共通感染症がありますが、ヒトと野生生物の接触によって感染が広がることも多いようです。

自然宿主には狂犬病、エボラ出血熱、SARSなどコウモリが多く、アジアの一部と中南米で多くなっています。従来のコロナウイルスも人獣共通感染症で、最初に発見されたのが1965年という新しいウイルスです。

このウイルスが注目されたのはSARSが流行した時で、この自然宿主は当初ジャコウネコと考えられていました。その後同じウイルスがコウモリで発見され、現在ではコウモリのSARSウイルスが共通祖先としてヒトとジャコウネコに感染したとされています。

SARSウイルスと遺伝子が96%同じ今回の新型コロナウイルスも同じようにコウモリが自然宿主と考えられています。コウモリの特徴はその種類の多さで、哺乳類の種類の約20%がコウモリとされ、その種類は900種を超えています。

また哺乳類の進化の中では比較的プリミティブな生物で、多くの哺乳類が持つ遺伝的特質の原型を持っています。つまりコウモリの古い形質の遺伝子で保存されてきたウイルスは、変異すると他の哺乳類へ感染する能力を持ちやすいことになります。

種類によってはかなりの長距離を飛翔するのもコウモリの特徴で、ウイルスを広い範囲に感染させる能力を持っていることになります。多くの種類のコウモリは冬眠し、ウイルスもコウモリとともに越冬し長い期間生きながらえることができます。

またコウモリ自体の寿命も長く、30年以上も生きる種もおり、こうした点でもコウモリはウイルスの貯水池になっているのでしょう。

さらにコウモリは湿った洞窟や木の洞等に集団で生息する種が多く、密集することでウイルス感染のパンデミックを起こしいやすいようです。またこういった環境がウイルスの変異を引き起こしやすいとも言えます。

今後もコウモリ由来の新型変異ウイルスがヒトに感染するといった事態は、続くような気もします。


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