ごっとさんのブログ

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治療が困難になる「ガン治療デマ情報」

2020-03-06 10:26:07 | その他
ガン治療の大きな妨げとして、今問題となっているのが「ガン治療デマ情報」と民間療法といわれています。

15歳〜39歳のガンで、親が抗ガン剤を怖がり、治療拒否したりするケースもあるようです。ガンと告知されると、患者や家族が病気や治療について、最初にするのは調べるという作業です。

ネットや書店でガンに関する書籍や雑誌を探しまくり、そこで目にする「○○療法でガンが消えた」「抗ガン剤で寿命が縮む」といった文字に釘付けになります。

しかしネットや書籍の内容は正しい情報ばかりではなく、インターネット情報の信頼度を調査すると、危険・有害サイトが39%もあり、信頼できるサイトは10%という結果もあるようです。

2018年に医療法が改正され、医療広告も規制対象となり、広告は広告とわかるようにと通達が出されていますが、未だに怪しい情報が減ったわけではありません。ガンの場合標準治療という言葉が使われますが、“標準=普通”と解釈され、“最新”や“最先端”の治療の方が上と思う人がいるようです。

しかし標準治療は世界が認めるスタンダードな治療法であり、標準=最高・最善で安心な治療という意味となっているはずです。ガンの標準治療には、手術・放射線治療・薬物療法(最近では緩和ケアが加わる)があり、これらがガン治療の第一選択肢であるべきですが、民間療法に走る人は途絶えないようです。

これは標準治療がどんなレベルのものであるかが、多くの人に認識されていないことも原因のひとつかもしれません。確かに標準治療を宣伝するような文章や書籍はほとんどなく、民間療法や最先端と称する療法ばかりが目立っています。

特に抗ガン剤には副作用がつきものですが、そのマイナス面ばかりが表立ち、不安をあおる情報が多いようです。医療情報を語る際に、エビデンス(科学的根拠)という言葉がよく使われますが、エビデンスにもランクがあり、5段階の評価で分けられています。

標準治療のほとんどは有効性が確認された最高の信頼度を示すエビデンスレベル1に相当します。当然民間療法などはエビデンスがないか非常に低いものが多いのですが、患者や家族に分かるはずがありません。

私は標準治療の妨げにならないのであれば、民間療法などを併用して、患者や家族に安心感・満足感を持たせるのも重要と思っています。

問題は医師がこういった民間療法を完全に否定し、拒否してしまう事ではないでしょうか。患者がやってみたいといったことを、無駄だと思っても承認するぐらいの寛容さを医師が持てば、標準療法の妨げにならないと思っています。

ガンだけではなく病気の治療には、患者が安心することが効果を出すために必要と感じています。


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