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睡眠で脳内のごみを掃除

2019-03-06 10:01:05 | 健康・医療
睡眠不足の人はボケやすいというのは本当かもしれません。最新の研究によると、睡眠と認知症には密接な関係があるようです。

認知症の主要な原因であるアルツハイマー病は、アミロイドβというタンパク質の「ゴミ」が脳内の神経細胞に蓄積することで発症します。ワシントン大学の研究では、眠りを絶たれたマウスの脳内にアミロイドβが蓄積し、睡眠させると少なくなることが報告されました。

つまり家庭のゴミが毎朝ゴミ収集車で回収されるように、脳内のゴミは睡眠時に分解され、一定以上の量に溜まらないようになっています。ところが睡眠不足になると、アミロイドβの分解が追いつかず、脳内のゴミは蓄積する一方となってしまい、それが認知症を引き起こす原因となります。

さらに近年解明されてきた「脳内の記憶メカニズム」の観点からも、睡眠不足が認知症を招くことが分かってきました。

人間の記憶は、側頭葉の内部にある海馬という器官から大脳皮質に転送されることで定着します。海馬の神経細胞は1億個であるのに対し、大脳皮質の神経細胞は100億個で、いわばパソコンのメモリーと大容量ハードディスクのような関係のようです。

海馬の容量が少ないため、新しい出来事を記憶するためには、どんどん大容量の大脳皮質にデータを転送しなければなりません。その海馬から記憶の転送と固定が行われるのが、睡眠中とされています。

そのため睡眠に問題があると、新しい記憶の保持ができなくなります。認知症の高齢者が昔のことはよく覚えているのに、最近のことが記憶できないのは、この転送・固定のシステムに支障をきたしていることが理由の一つとなっています。

さらに不眠症などの睡眠障害を持つ人は、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病にも罹り易くなりますが、この病気も認知症を悪化させることが知られています。

睡眠不足だと血糖値を下げるホルモンのインスリンの分泌に異常をきたし、糖尿病の発症リスクが高まります。糖尿病になるとアミロイドβが分解されにくくなり、脳内にゴミがたまりやすくなります。

またメタボ体形の人は気道が狭くなるため大きないびきをかき、睡眠中の動脈血中酸素濃度が低下します。つまり睡眠不足が生活習慣病を引き起こし、そのせいで認知症が悪化するという悪循環を招いてしまうのです。

これはやや極論のような気もしますが、私は健康は食事と睡眠で保たれるを基本としています。良い睡眠が重要なことは確かですが、アミロイドの分解をしているというのは初めてです。どの程度信頼性があるかは分かりませんが、睡眠と認知症というのは面白いテーマのような気もします。


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