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「病は気から」の解明が進展

2020-08-22 10:28:52 | 健康・医療
前向きの気持ちが花粉症などのアレルギー症状を改善させるという研究結果を、山梨大学の研究グループが発表しました。

「病は気から」の化学的根拠をめぐっては、ストレスが体調不良につながるメカニズムは解明されつつありますが、逆にポジティブな思考が体にいいという結果は注目されています。

花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの新薬の臨床試験では、患者が偽薬が効いたと信じ込む「プラセボ効果」が他の疾患の薬より高く出ることが知られており、患者の気持ちがある程度影響するとみられていました。

そこで研究グループはマウスを使い、前向きな感情を脳内でつかさどるドーパミン報酬系と呼ばれる神経をさまざまな方法で活性化し、アレルギー反応の影響を解析しました。その結果いずれも通常より2,3割程度症状が軽くなったようです。

ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内のネットワークが、アレルギーを生じさせる免疫の仕組みと密接にリンクしていることを直接的に証明できたとしています。

研究グループは、アレルギーの治療はもちろん薬を適切に使うことが第一だが、患者が前向きな気持ちを保ち続けることも大事であることが研究で示されたと述べています。

「病は気から」の研究では、2014年大阪大学のグループがストレスが免疫力を低下させるメカニズムを交感神経の働きから証明しました。

これはかなり専門的になりますが、交感神経からのノルアドレナリンがリンパ球に発現するある受容体を介して、リンパ球のリンパ節からの脱出を抑えることを見出し、交感神経がリンパ球の体内動体の恒常性を保つ役割を果たしていることを明らかにしました。

またアレルギー性皮膚炎のマウスモデルに於いて、この受容体からの刺激が炎症を引き起こすリンパ球のリンパ節からの脱出を抑制し、それらが炎症部位に到達するのを妨げることが分かりました。

このことから交感神経によるリンパ球の動体制御が炎症性疾患の病態にも関わり、「病は気から」の分子メカニズムの一部が明らかになりました。

また2017年には北海道大学のグループが、ストレスで起こる脳内の炎症が胃腸の病気や突然死につながる仕組みを解明しています。ストレスの反対である前向きな気持ちが体にいいという考えは、書店に並ぶ健康本や自己啓発本に目立っています。

古くは平成7年にはプラス思考で出る脳内ホルモンが心身の最良の薬だとする本がベストセラーになりましたが、学術的な研究はほとんどありませんでした。

ここで示した研究が病は気からにどうつながるのかよく分かりませんが、脳がからむとなかなか理解し難い内容となるのかもしれません。


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