ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

肺高血圧症重症化の仕組み解明

2021-04-07 10:26:01 | 健康・医療
高血圧は全身の血圧が上がる症状ですが、非常に多くこれが病気として治療が必要かは私はやや疑っています。

これに対し心臓から肺に血液を送る肺動脈が狭くなる「肺高血圧症」という病気があり、これが悪化する仕組みを国立循環器病研究センターのグループが解明しました。

体外から入った化学物質の分解に関わるタンパク質の働きが強まっており、これによって新たな治療法の開発につながる可能性があるとしています。

肺高血圧症とは、肺動脈の血管内腔が何らかの原因で狭くなることにより、血液が通りにくくなって肺動脈の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。具体的には右心カテーテルという検査で測定した安静時の平均動脈圧が25以上であり、左心系異常は認めないことが条件となっています。

肺動脈の血管内腔が狭くなると、肺を通過する血液の循環が悪くなります。また肺動脈圧が上昇すると、右心室に高い圧力がかかることにより心臓に負担が生じて、右心室の機能低下(右心不全)を引き起こします。

一般的には抗凝固薬や利尿薬、強心薬といった薬剤が用いられますが、肺動脈性高血圧症では血管拡張薬が治療の中心となっています。

肺高血圧症の原因はよくわかっていませんが、潰瘍性大腸炎患者が漢方薬のセイタイを使った後に発症するケースがあるなど、化学物質が発病に関わっている可能性が指摘されてきました。

そこでグループは、体外から取り込まれる化学物質の解毒の仕組みに関わるタンパク質AHRに注目しました。AHRは芳香族炭化水素受容体とよばれ、ダイオキシンなどの解毒に関わっているとされています。

肺高血圧症の患者の血液を調べたところ、健康な人よりAHRの働きが高く、重症の患者はより高い傾向が分かりました。動物実験ではラットにAHRの働きを強める物質を与えると、重症の肺高血圧症と似た症状になることも分かりました。

遺伝子操作でラットのAHRの働きを止めると、化学物質を与えても病気が進まないことなども確認できました。グループはこうした結果から、血液中のAHRの働きを調べることで重症化リスクを推定したり、AHRの働きを抑えることで治療できる可能性があるとしています。

同センターは従来は対症療法だけでしたが、根本的な治療法につながる可能性があるとしています。

肺高血圧症という病気自体知りませんでしたので、どの程度の患者がいるのかなどよくわかりませんが、心不全という重篤な状態になる可能性のある病気ですので、こういった仕組みが分かることで、良い治療薬の開発を期待しています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿