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合併症が怖い帯状疱疹

2021-02-10 10:24:20 | 健康・医療
皮膚に水ぶくれができて痛みを伴うのが帯状疱疹で、高齢者においては珍しくなく80代では3人に1人かかるといわれています。

この特徴は激しい痛みといわれており、痛みのため眠れなくなって入院することもあるようです。水泡の中にウイルが入っており、これが破れ皮膚に拡散するといわれています。

私の母も70代後半に帯状疱疹にかかり、皮膚科からもらった塗り薬を私が塗っていましたが、肩から背中にかけて広い範囲に水泡とカサブタのようなものができ、かなりひどい状態でした。

ところが母は全く痛みがないようで、貼ってあるガーゼをはがしたり薬を塗っても全く痛がりませんでした。このころは認知症が進んでいましたので、痛覚がマヒしていたのか、介護する方にとっては楽だったのですが、不思議な気がしていました。

痛みの出ない帯状疱疹というのもあるのかもしれませんが、私にとっては何となく身近な病気となっています。

帯状疱疹は過去にかかった水ぼうそうウイルスによって起こる病気です。水ぼうそうは主に子供時代に発症し、水ぼうそう自体は簡単に治りますが水ぼうそうウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス、ヘルペスウイルス)は体内の神経節に潜んだままとなり、これを潜伏感染と呼んでいます。

通常はこの時獲得した免疫で抑えていますが、成人になり加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、このウイルスが活動を再開し神経の流れに乗って神経節から皮膚へ移動し、帯状疱疹を引き起こします。

この場合水泡と痛みが出たらすぐに皮膚科に行くことが重要です。痛みや水泡を早く治癒させるということに加え、「帯状疱疹後神経痛」という合併症のリスクを減らす重要な目的があります。

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹を発症した人の3か月で7〜25%、6カ月で5〜13%の人が発症するという報告もあります。この神経痛は水泡が消えて帯状疱疹が治った後も続く痛みで、衣類が触れるだけで痛い、ちょっと触っただけで痛いというほど痛みの度合いが強い場合が多いようです。

1〜2か月ほどで症状が落ち着く人が多いとされる一方で、3分の1の人は3か月以上痛みが続き、5分の1は1年以上続くという統計があります。この神経痛のリスクを低くするには、帯状疱疹の水泡が出てから72時間以内に、遅くても5日以内には治療を受ける必要があるようです。

現在では帯状疱疹の治療薬は抗ウイルス剤が開発されており、非常によく効くものが出ています。帯状疱疹は発症から数カ月の間は血液が固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなることが分かっています。

その予防のためにも帯状疱疹の治療は早く受けることが重要とされています。


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