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日本人の年収はなぜ上がらないのか

2022-03-14 10:34:39 | 時事
最近失われた30年という言葉をよく見るようになりました。ひとつには経済がほとんど停滞していることや、平均賃金(年収)がこの30年間ほとんど変わっていないことによるものです。

2020年の平均賃金は調査対象国の平均値より低く、先進国の中で下位クラスとなっています。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の平均賃金は1990年〜2020年の30年間でほとんど上がっていません。

韓国やアメリカは200万円以上伸びているのに対し、日本はわずか18万円しか伸びていません。具体的には2020年の日本の平均賃金は約424万円で調査対象の35か国のなかで22番目であり、平均は540万円となっています。

例えばアメリカは1990年が517万円から2020年は763万円と約246万円上昇しています。このようになぜ日本の平均賃金が上がらないかについては、いろいろな原因が指摘されています。

まず経済が成長していないことが挙げられますが、日本の経済規模を表す名目国内総生産も1990年からほとんど伸びていません。具体的な数値は省略しますが、この30年間でアメリカは約3.5倍、中国は約37倍、韓国は約5.8倍成長していますが、日本は約1.5倍に留まります。

安倍政権以後日本でも成長戦略を取り続けており、完全失業率などは改善していますが、経済成長は実現していないようです。この辺りは私もよくわかりませんが、生産性が上がっていないことは確かで、何か要因があるのかもしれません。

もうひとつは雇用維持を優先する企業体質が挙げられます。終身雇用と年功序列賃金が続いていることが、日本の年収が上がらない理由と言われています。経済が低成長にもかかわらず雇用を維持しなくてはならないため、人件費を削減できません。

中堅社員の年収を削減しづらいため、優秀な若手の年収アップも抑えられています。ただ私はこの終身雇用と年功序列賃金は格差拡大を防ぐ良い制度だと思っています。

人間の能力は皆同じということはなく、非常に優秀な人もいればそうでない人もいます。こういったいわば能力弱者を救う社会的システムが、終身雇用と年功序列賃金と思っています。

ただこれは私の現役時代は経済成長期であり、皆結婚し多くの奥さんは専業主婦という時代でしたので、こういった考えが根底にあるのかもしれません。

既に終身雇用は崩壊しつつあるというような説も出ていますが、この制度が定着している日本で、労働組合もまだ企業内組合である現状を考えると、新しい働き方がどんなものになるのか想像すらできない状況といえるようです。

それでも2020年代は、賃金が上がるような政策をぜひ実行してほしいと思っています。


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