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日本企業に「働かないオジサン」が大量発生する原因

2022-10-20 11:13:08 | 時事
少し前から企業の「働かないオジサン」が問題になってきましたが、こういった中高年は昔からいたような気もします。

私の職場は研究所で、常に所員の平均年齢が32、3歳となるような人事管理をするという特殊な職場ですので、働かないオジサンの実感はありませんでした。

日本企業の人事担当者には、「中高年のモチベーションが上がらず困っている」「モチベーションが上がる刺激を与えられないか」という問題意識があるようです。

この中高年になってからモチベーションが欠如する要因の根本には、出世以外の動機付けを無化させてしまう人事管理の在り方そのものに原因があるとしています。

日本企業におけるキャリアの歩み方を日常的なものに例えれば、小中学校で多くの人が経験する「校内マラソン」ににています。入社した年ごとによーいドンの合図で一斉に走り出し、「同期」はライバルでもあり励まし合う仲間としても形成されます。

マラソンなのでペースはゆっくりしており、レース中盤に差し掛かるにつれて集団が分かれ、最後は一握りの人たちだけがトップを目指して走りぬいていきます。

こうした「平等主義」と「競争主義」が支配する内部昇進レースは、校内マラソンと同様に「オプトアウト方式」つまり原則的に強制参加となっています。こうしたレースに参加している人に「出世に対する意欲の変化」を調査すると、平均で42.5歳を境目にして「出世したいと思わない」が5割を超し、その後右肩上がりに伸びていきます。

少し古いデータですが国際比較した定量調査によれば、「昇進の差」が出始めるタイミングは、ドイツ企業で入社後平均3.7年、アメリカで3.4年、日本企業は7.9年程度となっています。

その後昇進の見込みがない人が5割に達する時期は、ドイツ企業が11.5年、アメリカが9.1年、日本企業は22.3年となっています。これは日本で「出世意欲の限界」とおおよそ一致しており、平均42.5歳という数字は世界水準でいえばあまりにも「遅い」といえるようです。

一方転職市場にはかねてより「35歳限界説」という言葉が流れていました。この俗説はミドルの転職が増えて来るにつれて消えてきたといわれることが多いようですが、やはりひとつの目安になっているようです。

実際コンジョイント分析という手法で解析すると、やはり高齢になるほど特に35歳以降は採用されにくい傾向が出ています。このようにマラソンレースから離脱しようとする歳が海外に比べてあまりにも遅いため、転職に不利な年齢となってしまうという根源的な問題が存在するといえます。

その結果転職をあきらめ、「働かないオジサン」が増加してしまうと考えられます。私はこの問題の解決策が全く分かりませんが、放置してはいけない問題と思われます。


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