kimitsuku独り言

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童謡詩人 金子みすずの詩

2011年03月10日 | 日記
    
                   私と小鳥と鈴と


         私が両手をひろげても お空はちっとも飛べないが
        飛べる小鳥は私のやうに 地面(じべた)を速くは走れない。
        私がからだをゆすっても きれいな音は出ないけど
        あの鳴る鈴は私のやうに たくさんな唄は知らないよ。
        鈴と小鳥とそれから私、みんなちがって みんないい。
     
                 つもった雪


        上の雪 さむかろな つめたい月が さしていて、
        下の雪 重たかろな 何百人も のせていて、
        中の雪 さみしかろな 空も地面(じべた)も みえないで。

  
 
 山口県に生まれた金子みすず。大正末期から昭和初期にかけ雑誌『赤い鳥』
『金の星』『童話』などに投稿し、西条八十から天才詩人と賞賛されるも、1930年
3月10日、自ら26年の短い生涯を閉じた。上記の二編の詩は、瑞々しい才能に
恵まれながらも充分に開花させること叶わず、この世を去ったみすずの感性が
光る代表作である。
コメント (2)
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