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彫刻家の佐藤忠良氏が、98年の生涯を終えられた。幼少期に父と死別し
母の故郷であった北海道で20歳まで過ごされた縁があり、道内に幾つかの
作品が残っている。そのひとつが1972年に開催された札幌冬季オリンピック
記念に製作された、『雪娘』と名付けられたブロンズ像
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少年と見間違うスリムな体型の女性像で、遥か彼方へ眼をやり両手を高く
伸ばした若々しい彫像は、オリンピックを迎える喜びに満ちているよう。
あのオリンピックを契機に札幌は近代化を進め、国際都市の仲間入りを
果たした。地下街が出来、地下鉄が走り、真駒内地区が発展し、冬季の
スポーツが盛んになり、何ともハイカラな街に変貌した。
オリンピック期間中は穏やかな晴天の日が続き、外国取材陣が「日本人は
天候もコントロール出来るのか」と、驚いていたと話題になった。
日本選手の活躍では、日の丸飛行隊と賞賛された70mジャンプ競技…笠井
幸生・金野昭二・青地清二のメダル独占が、今も脳裏に鮮やか。
札幌が世界中から注目されたあの日から既に40年近い。所用で真駒内へ
行った時、『雪娘』像が建つ五輪橋を通ることがある。いつもは何気なく通り
過ぎていたが、佐藤忠良氏の訃報に接し今度あの橋を通る時は、車を止め
じっくり鑑賞してみたいと思う。