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今日はロック(6月9日)の日だそうで…

2010年06月09日 | 海外事情
 思い出した、中国のオートロックと言う名の手動ドア。
 最初は、引っ越した翌日、新居の大掃除が終盤に差し掛かり、「お茶でも飲もう」と電気パネル(コンロだね。自動消火装置なんかない)に薬缶をかけて、掃除で使った汚水を流しに、ドアの外に出た。
 新しい部屋で汚水を流すのも嫌だったし、すごそこには雨水用の排水溝があったので。
 オートロックのドアだとは知っていたので、ドアを全開にして、動かない事は確認した…にも関わらず、何と、ドアノブに手をかけようとしたその瞬間、無情にも我が新居から閉め出されてしまったのだった。
 その時、掃除の途中もあり、へんなジャージに、ババシャツ(救いはダッポリして水色だったこと)、サンダル履きの手にバケツを持った、丁髷。
 正に、氷付く瞬間。
 目の前が真っ白になった。右も左も解らないばかりか言葉も通じない異国。どうしよう。どうにもこうにも、頼れる人もいないのだ。しかも部屋の中では湯を湧かしている。
 恥も外聞も投げ捨て(元から持ち合わせちゃいないけど)、左右のドアをノックすると、どうにか左側の住人が開けてくれた。
 事態を説明しようにも言葉が通じない、バケツを持った丁髷(私の事だ)葉、ズカズカと他人の家に入り込み、机の上の紙に勝手に見付けたボールペンで、鍵、門、締、火、湯などと書き出した。
 通じない。ならばと、その部屋の窓伝いに部屋に戻ろうと、身を乗り出すと、状況が解ったらしく、大慌てで止められ(そこは11階)、「待ってろ。鍵を開ける職人を読んで来る」と(言っていたと思う)、隣人はエレベーターホールに向かって走り出した。
 よく分からないが、閉まったままのドアの前で、バケツを裏返しにして腰をかけて待つ丁髷。
 15分も過ぎただろうか、隣人とアタッシュケースを下げたおっちゃんが現れた。
 その時、おっちゃんに請求された金額は200元。ぜってー、ボッタクリとは解っていたが、この状況においては、「もう言われただけ支払います、払わせてください」状態。本当は50元くらいだよね。
 自分のミスには寛大になるのだ。
 その後も、突然ブレーカーが落ちて、真っ暗の中、外の明かりを頼りにドア全開で、ブレーカーを探したりしていた時も、たまたま見付けて助けてくださったのはその隣人。いい人もいるのです。少ないけれど。
 後に、マンションの敷地内に管理事務所があることを知るのだが、この時点では、全く知らなかったのだった。
 このオートロック閉め出し事件は完全に自分のミスなのだが、その3カ月後、完全にオートロックと言う意味を把握していない中国人との長きバトルが繰り広げられることになるとは、思いもよらなかったのだ。
 ロックの日と言う事で思い出した。

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