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生贄

2016-04-30 09:39:13 | 映画
LetterGW、無為無聊の日々を過ごしている。
HDDに録ってあった映画『バベル』を鑑賞。
難解でもっさりとした作品かと思ってたけど、
テンポがよくて娯楽性も高かった。


映画の論評はさておき、気になるシーンがあった。
それは、菊地凛子のヌードじゃなく、
ベビーシッターの息子のメキシコでの結婚式の場面。
息子の友だちが、披露宴のパーティー料理のために、
ニワトリを絞めるプチ残酷なシーン。
アメリカからきたWASPの子どもは目を丸くしていた。


僕にも似たような経験がある。
僕の父祖の地は福岡県の唐原という田舎町で、
本家は農業を営んでいた。
ガキのころ、本家に遊びにいったとき、
おもてなしに水炊きをご馳走になった。
そのとき、目の前でニワトリが絞められたのを見たのだ。


わざわざ僕にそのシーンを見せたおじさんの意図は、
ちょっとしたイタズラ心もあって、
ビビらせてやろうということだったんだと思う。
そして僕は、案の定、ビビりまくってしまった。


その夕、だされた水炊きに手をつけることをためらっていた僕に、
無情にも母は、親戚の手前もあって、食べることを強要した。
僕は、泣きながら水炊きを食べた。


鶏絞め噺をもうひとつ。
ガールフレンドのマキちゃん、
子ども時分、家でニワトリを飼っていたそうだ。
マキちゃんは、家畜じゃなく、ペットとしてニワトリに接し、
餌をあげるのを日課としていた。


ある年の誕生日、学校から帰ると、
かわいがっていたニワトリが、首を刎ねられ、木に吊されていた。
ビックリして家に駆け込むと、お婆ちゃんがこう言ったそうだ。
「マキ、誕生日おめでとう。今夜はご馳走だよ」
その晩、マキちゃんは泣きながら水炊きを食べた。

(゜゜;)エエッ、食べたんかい!