内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

レンブラントの描く人物画それ自体の宗教性、ジンメル『レンブラント』より ― 夏休み日記(6)

2017-07-22 15:20:34 | 哲学

 今日は夕方から拙宅に人をお招きしているので、その前にごく短い記事を投稿するだけです。
 昨日言及したジンメルの『レンブラント』は、ジンメル最晩年の仕事の中でも最重要な成果の一つです。1918年に亡くなる二年前の1916年、本書の初版がライプツィヒのクルト・ヴォルフ社から出版されています。ちなみに、ジンメルは当時ストラスブール大学の哲学の正教授でした。
 本書の第三部は宗教的芸術をその主題としていますが、レンブラントの描く人物画それ自体の宗教性を指摘しているところは、シモンドンにおける宗教性の次元を考えるためにもきわめて示唆的です。

... les hommes que montrent ces tableaux paisibles, familiers n’ont pas de religion, comme contenu objetctif de leur vie, mais ils sont religieux (G. Simmel, Rembrandt, op. cit., p. 183. En gras dans le texte).