佐野眞一の「東電OL殺人事件」というノンフィクションを、かつて読んだ。
丹念なる取材。
まだ女性の社会人の立場が弱い頃、東京電力で要職にまで登り詰めたOLが、なぜ睡眠まで削りながら、夜に円谷町の淫売婦を自らに課し続け、ある日、死体となって発見されなければならなかったのか?
彼女の父は、戦後の高度経済成長の中、それに追い付けるべく電力拡大に尽力したが、若くして過労死した。
父を慕って育った娘の、後を追った行動の底を流れていた何か。
***
阪神淡路大震災のとき、過酷なスケジュールの中、仮設住宅に尽力した方、また、復興に尽力した方、そういった方々が過労死した。
東日本大震災で亡くなった方々にはただただ頭を下げるしかないが、そんな中、一命を取り留めた側・それを支える側、共にこれ以上の不幸があってはならない。
わたしには、頑張れ、とか、元気に、という言葉を、今、やすやすと使う風潮には同調出来ない。
それは、鬱病の人への思いやりとして、あえて、その言葉を口に出さないのと同じだと思っている。
抑鬱に揺られて来た自分が言うのもなんだが。
丹念なる取材。
まだ女性の社会人の立場が弱い頃、東京電力で要職にまで登り詰めたOLが、なぜ睡眠まで削りながら、夜に円谷町の淫売婦を自らに課し続け、ある日、死体となって発見されなければならなかったのか?
彼女の父は、戦後の高度経済成長の中、それに追い付けるべく電力拡大に尽力したが、若くして過労死した。
父を慕って育った娘の、後を追った行動の底を流れていた何か。
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阪神淡路大震災のとき、過酷なスケジュールの中、仮設住宅に尽力した方、また、復興に尽力した方、そういった方々が過労死した。
東日本大震災で亡くなった方々にはただただ頭を下げるしかないが、そんな中、一命を取り留めた側・それを支える側、共にこれ以上の不幸があってはならない。
わたしには、頑張れ、とか、元気に、という言葉を、今、やすやすと使う風潮には同調出来ない。
それは、鬱病の人への思いやりとして、あえて、その言葉を口に出さないのと同じだと思っている。
抑鬱に揺られて来た自分が言うのもなんだが。