これは、天然の蛇皮だと業者のかたに言われました。
養殖とこの天然?の比較です。

20年以上前には、天然に育った蛇皮を二胡には使っていたようです。
現在は捕獲禁止になっていますから、天然の蛇皮というのは入ってきません。
天然だからと言って必ずしも良い二胡の皮になるとは限りません。
天然の松脂というのが、戦前は使われていたのですが、いつの間にか使われなくなったのにはいろいろ理由があると思います。
その一つが、安定した同じ状態の物が得にくい、というより無いのでしょう。
ですから、京胡を弾く人達も、自分で熱をかけて色々試しているようです。
光舜松脂を作る時に試した天然の物も、2回試したのですが、2回とも随分感じが違いました。
蛇はさらに違います。
なにしろ藪の中であちこち動き回って獲物を捕獲するのですから、皮が傷ついていることも多いです。傷ついて直ったところが、二胡に張ってみたらそこだけ薄かった、あるいは反対に硬化してしまっているなどという事もあります。
またその傷から破れやすかったりもします。
ですから通常は尻尾近くで6枚は取れるのですが、買っては見たが、、、ダメな時も多いのです。
昔は、今ほど二胡は作られておらず(今は年間20万台と言われます)ほとんどが天然ものだったのですが、今は全く養殖に変わってしまっています。
この画像のように天然物?は皮の艶が違いますね、但し二胡に張ると水に何回か浸すのでこの艶はかなり落ちます。
それと、黄色い色が濃い感じがあります。
それと鱗の形状が違います。鱗が少し盛り上がっている感じです。
皮はかなり硬めです。
音にすると、楽器全体が震える感じです。
そして、かなり圧力をかけないと鳴りにくいです。
弓で弾くと、すぐ音には鳴りにくく、一瞬音が出遅れる感じもあります。
こういう時には光舜松脂が良いです(宣伝ですね)
ですから、相当弾くのに自信のある方に、あるいはこの皮をすぐ鳴らせるようにしたいという方。
私は養殖の蛇皮が悪いとは思っていません、寧ろ鳴らしやすく響きも良いです。そして安定しています。
そして養殖の物は、私の個人的な意見ですが北京系の楽器に向いているのではないかと思うのです。比較的薄くしやすく良く振動するからです。
そして安いです。この天然物はかなりの金額で、私も仕入れるのにかなり躊躇しました。
その上、何台分取れるのか分かりませんでしたから。
でも、幸い18台分は手に入れたようです。
ホントにたまたま手に入った天然物?です。
今、かなり高額の紫檀二胡に張っています。
その二胡は、まだ新しいのですが、お客様の希望で皮を張り替えているのです。お預かりしてから申すぐ1カ月、どんな音になるのか楽しみです。
因みに、捕獲は禁止されていますが、様々な理由で(例えば、自動車事故など、)捕らえられたものは、今でも中国では使われているとのことです。
私も随分前に、試してみたいのでお願いしていたのが、やっと手に入れた感じです。もうはいらないでしょうね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ