二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

4月12日(日) 釣り日和の日曜日でしたが 11:00~17:00

2015-04-16 08:32:06 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
今週はお一人もご予約が無い日でした。
しかし、二胡姫さん4月納品分の福音弓を出荷し終わりストレスだらけの弓作りから解放された店主は、
スッキリした上に、前日の夜には二胡姫さんでCDMをご購入下さった方から大絶賛のメッセージを
直接いただいた余韻で大満足。
ですから、予約が無くてもへっちゃら。

「ほぉさん、今日は光舜堂やめて釣りに行きたいな」
「なに言ってるんですか! 突然いらっしゃることも多い万世橋ですよ、駄目ですっ!」

店主、弓に追われている最中にはストレスで現実逃避したくなって、
懇意にしている釣り船のHPを恨めしそうに眺めるばかり。。。
「今は鯛が好調みたいだよ」
「ハイハイ、納品終わったらね」
と、そんな会話で騙し騙し弓を作っていただき、の納品明けの日曜日。
たしかにこんな晴れたご予約が無い日には釣りに行きたくなるのでしょう。

それでも店を開けて良かった営業日、やはり突然のお客様はいらっしゃいました。
しかも、関東圏内とは言え、ちょっと遠くの方と、海外の方!!
釣りに行ったりしないで本当に良かった。。。


最初にいらした方は、光舜堂の二胡を弾いてみたいとおっしゃって手ぶらでした。
二胡歴が短いながら幾つも二胡をお持ちでしたがどれも音色にご満足がいかないそうで、
音色の良い楽器の音がどんなか知りたい、ということでした。
そこで試した西野二胡。
音色だけでなく楽器の弾き易さ、福音弓の使い易さにも驚かれていました。

でも、おそらく、ご自分の二胡も調整すればもっと良くなると思うのです。
安物だから、とおしゃっていましたが、値段通りの品質とは限らないのが二胡の世界ですから、
お宝が潜んでいるかもしれません。
「おもちゃっぽいのは捨てました」とおっしゃったのには、思わず「あうぅ。。」
お土産二胡は調べなくてはわかりません!
しかし、残念ながらこの日はご自分の二胡を持って来られていなかったので調整出来ず。
「たぶん、お持ちの楽器、調整したら弾き易くなって好きになりますよ」と店主も。
「それに、たぶん弓も悪いの使っているからご自分の音が好きじゃないのでしょう」
驚いたのが、最初癖のある弾き方をされていたのですが、
福音弓のバランスに慣れたらとても綺麗なフォームになったのです!
よく福音弓の感想として「弓のバランスが良いのでフォームが矯正された」と
何人もから伺っていたのですが、実際に目の当たりにして驚きました。

お気づきでない方も多いのですが、既製品の弓はかなり品質にバラつきがあります。
もの凄く良い物も有る一方、かなり弾きにくい、柔らか過ぎる竹や硬過ぎる竹も混ざっています。
上達してくるとご自分の好みがハッキリしてきて「ハズレを買ったな」とか解りますが、
初心者は弾き心地など判らずに弾きにくいのは自分の腕のせいだと思ってしまったりしますから、
買った目の前にある弓に、品質関係なく自分が合せようとして頑張ってしまい苦労する。。。
でも実際は、弓を弾き易い物に変えれば何のことは無い、という方、多いのです。

この日は峠岡君がいらして新発売の『阿炳礼賛』を大絶賛して下さいましたが、
福音弓がなぜこんなに弾き易いのか、のバランス作りの作業工程を説明すると感心していました。
福音弓の中でも『阿炳礼賛』は特に、仕入れた弓の中でも特別な質を持った竹からしか作れません。
割合で言ったら、使える状態の分のうちの3割弱です。
しかし、仕入れた物は全体の約半数が品質が悪くて使えませんから、
差し引いたそこからの3割はかなり貴重です。
なのに店主が「それ」をしなりをチェックしながらバランスを絶妙な具合に削っていると、
ときたまバキッっと。。。
竹が折れてしまった音が聞こえるとワタクシは(あーーー貴重な竹がぁ。。。)と心で嘆きますが、
しかし「作業中に折れる物は元々良くなかったんだからいいんだよ」と店主。
それでも、ただでさえ少ない竹の中でも特に貴重な竹がまた1本減るわけですからガッカリです。
(そんな訳ですので、シャトーブリアンのような『阿炳礼賛』は5月から一際高くなりますが
どうかご理解下さいませ)


さて次なる突然のお客様はといえば、外国人の男性と通訳役の女性。
最初、中国からのお客様かと思いきや、韓国人の方でした!
男性がご自分でウチをネットで見つけ出し、翻訳サイトで訳して読んで「ここがいい」と
女性に連れて行ってほしいと頼んだのだそうで。
韓国には二胡のお店が無いそうで、ましてメンテナンスをするお店も無い、とのこと。
そんな彼の楽器は「安い物をプレゼントしてもらった」ということでしたが、
どうしてどうして、店主の見たところ40万はする立派な龍頭の二胡!
「これ、かなり良い物だよ」と伝えるとビックリしていました。
そんな彼も福音弓の使い易さには感動!
しかも張替えが出来ると知ると「これがいい!これが欲しい!」とおっしゃってくださいましたが、
張替える時はどうしようねぇ、という話(笑)


そんな方々と入れ違いで英語が出来るじみさんご来店。
うーん、もうちっと早ければ通訳してもらったのに!
通訳で同行された女性は二胡を弾かない方でしたので専門的な細かい事が分からずで、
調整に関しては我々の酷いカタコト英語でのコミュニケーション。
それでもとても楽しい時間でしたが。

その後登場の峠岡慎太郎君は、別件での話もあってのご来店だったのですが
西野二胡の調整もするはずだったのに手ぶらでご来店で、
「あれ?二胡は?」と言うと、「あ。。。!」
電車に忘れでもしたかと思いましたが、単に持って来るのを忘れたとのこと(笑)
店主曰く、峠岡君の縞黒檀は誰よりも鳴らして練習時間も長く弾いているので
同時期に張った他の皮よりも育ちが早く駒の高さを替える時期に来ているのだそうですが、
まぁそれはまた後日に、ということになりました。

今週はそんな峠岡君の西野二胡と同じ材、縞黒檀でCDMを作って来ていました。
もう何度かCDMの開発研究中にも弾いてくれている峠岡君ですが、
縞黒檀のCDMはかなり彼好みの音色なようで、弾いた峠岡君、大絶賛!
それにしても流石の峠岡慎太郎氏!
CDMが「ふつうに二胡だ」とよく言われますが彼が弾いてその言葉を実感です。
本当に素晴らしい「二胡の音色」でした。
側で聴いていたじみさんも「いいな~これっ!欲しいぞ、貯金しようかな」
(ちょっとまってちょっとまっておにーさんっ!アナタ二胡幾つ持ってますのん?(笑))

とにかく、CDMは店主の自信代表作の一つになったようです。
それにしてもヴィジュアルの面で、暖色系木色のチンチャンの『雪花』も綺麗でしたが、
縞黒檀の『雪花』はシックで、凛とした綺麗さで、和服にも似合いそうです♪


(人には「立てちゃいかん」って言ってるのに立てて撮影してしまいました。
良い子は危険だからマネしないでね!)


この日はなんと朝から神田駅-秋葉原駅間で鉄道の支柱が倒れ、
9時間運行ストップ、というご近所の駅間で大騒ぎがありましたので、
ご予約が0で幸いだったのかもしれません。
最近遠方からのお客様が本当に増え(今月もまだ四国や関西からご予約が!)ましたが、
突然電車が止まったりなんて、東京の人間なら迂回路線を即座に探せますが、
慣れてなかったら混乱してしまいますもんね。

そんな日にもご来店下さいました皆様ありがとうございました!


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3 Comments

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Unknown (名古屋人)
2015-04-16 12:59:42
早速ありがとうございます。
松脂ですね、ではそれでとめてみます。
こないだうちずっとぎゅうぎゅう締めていたので手が痛くなりました(笑
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名古屋人さん (nisino)
2015-04-16 12:55:53
そろそろ、木の油分が回って来てる音もいます。
松屋を塗って下さい。
それとしっかりと親指を棹にかけて締めこみながら回して下さい。
まだ気がゆがむほどは時間がたっていないと思いますので、この松脂を塗ることできっちり止まるとおもいます。
壊れた松脂があったらその方が良いですね。
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Unknown (名古屋人)
2015-04-16 12:38:46
西野さんは太公望でしたか^^
ウチの父も大好きで退職後は日がな一日仕掛けをつくっております。
西野さんは当分お暇がなさそうですね…お気の毒に…

さて先日購入したCDM、ちょっと糸巻きが緩いようなのですが…
すぐには伺えそうもないけれど応急処置的に何かしてよいこと、
逆にこれはしないで!ということありますか?

しかし峠岡くんに弾かれる二胡はシアワセだなぁ…
8月には彼の名古屋初ライブがありますので観に行きますよ。待ち遠しい~
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