二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を作るというのは、私にとって、

2010-05-02 10:44:16 | ■工房便り 総合 
人の手が、地上を離れて以来、

人は、その自由になった二つの手で、岩を砕き、木を彫り、道具を作りだしてきた。

その道具達は、人の生活を支える者たちを作りだし、

生活を豊かに彩る物たちをも、作りだしてきた。

それらは、絵画となり、彫刻となり、楽器となり、

人が地に祈り、天に願う時、

人から人へ、言葉を超え、

人と人が、気持ちをつなぐ、道具となった。


また一方で、人は地を穿ち、岩を崩して、金属を取り出し、戦いの道具を作り、

地の中に、数億年も蓄えられた、エネルギーを取り出し、

コントロールしようもない、科学という、人を魅惑する技術をも、

発展させてきた世界が有る。


そんな世界の中で、

今、私自身、人の知識と力という物ではコントロールしようもない、

樹木と、蛇の皮という物に魅惑され、

完成など望むべくもない、楽器作りという世界に、のめり込んでしまった。


数十年数百年の時間が、詰まった樹木の魅力。

人の理解の及ばない、命を宿してきた、蛇。

人の手の未だ届かない銀河の果てより、更に、

命という、数百億の人々が、捕らえようとして捕らえきれない、物達を相手に、

ささやかな、新たな「音」を作りだそうと、

残りの、物つくりの人生、掛けようとしている自分がいる。


私の作った二胡は、人から人へ、言葉以上の物を伝えられるのか?

体を通し、手を通じ、音となり響きとなり、歌となって、伝わってほしい。


西野和宏。







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2 Comments

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 (Tomomi)
2010-05-03 08:39:22
言葉を超えたものを伝える『音』
人の想い、生き様、願い、喜びや苦しみ、思いやりの心…

『音』を通して心に響く何かは、その人の魂との共鳴なのかもしれませんね。

弾く人、聴く人、そして楽器を作る人。
そんな人々が奏でる生きた音楽。


光舜二胡は、その『音』で、人と人を繋ぐことができる、
そんな楽器になっていく気がします。


昔からきっと楽器はそういう存在だったんでしょうね。
人の一部になってその人を表現し、それに共感する人の輪が自然と広がってゆく。
近代化とともに失われてしまった何か大切な響きが、
光舜のような楽器の『音』にはあるのだと思います。


これからがとても楽しみですね!
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音楽は良いですね (二胡作り)
2010-05-03 10:32:34
tomomiさん

ホントに、この仕事に出会えて、良かった。

なんだか一人で仕事してても、安心感ありますね。
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